イベントレポート「お子さまの困りごとはどうして起きる?」 背景に着目してサポートを考える方法を作業療法士・野田遥さんに聞きました
(野田さん)「一つの困りにもいろいろな背景があるし、背景はいくつかの困りに関係している、そしてそのサポートもいくつか考えられる。すごく複雑なんですよね。困りだけみて決め打ちしないのがとても大事なんだな、というのが分かっていただけるといいなと思います」
複数が関係している可能性があることを前提に、困りだけを見るのではなく、また背景やサポートも一つだけに絞らず、さまざまな角度からアセスメントをし、サポート方法も複数試すことが重要であるそうです。
また、以下もアセスメントのポイントとして挙げられました。
・複数の困りに共通して存在する背景もある
・複数の背景に共通のサポートが適切な場合もある
・一つの背景に複数のサポートが考えられるなど
とはいえ、実際にはこのような複雑な要因や方法を家庭でアセスメントをしてサポートしていくのは、かなりハードルが高いのではないでしょうか?
(野田さん)「ご家庭で取り組むのが難しい場合は、アセスメントに役立つツールや専門家への相談なども活用していただくことをおすすめします。
例えば、私が開発に携わったLITALICO発達特性検査は、『困り→背景→サポート』という今日使った考え方に沿って作られています。お子さまの困りや背景要因の分析をし、お子さまにあったサポートを考えるのはすごく大変だと思うのですが、オンラインの検査を受けるだけで結構な情報量のレポートが出るサービスです。受検することで思考の整理ができるので、専門家に相談する際の材料としても使っていただけると思います」
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質疑応答と参加者の方の感想
オンラインセミナーでは、「逆上がりが苦手」、「靴紐が結べない」、「癇癪」、「きょうだいに対して手が出てしまう」など、保護者の方から具体的な困りごとについてさまざまな質問が寄せられました。
野田さんからはそれぞれのケースについて、時間いっぱいまで解決方法の提案がありました。
イベント後、参加者の方からは分析や実際の対応方法についての感想が多く寄せられました。
「行動の前後をみて、どうして困り感があるのかを考えることが大切だと分かりました」
「1つの行動に対するアプローチは1つではなく、多くの選択肢を挙げられると、本人の思考や行動の幅も広がっていくのではないかと思いました。できることからやってみようと思います」