【土屋アンナさんが考える、家族のあり方と子育て】映画『長ぐつをはいたネコと9つの命』 | HugMug
不得意なことを無理にやらせても苦しい人生になるだけ。私が母親として唯一やることは、子どもたちの命を守るだけです。それだけはちゃんとしていますが、基本自由にやっています。母親でいるというより、きょうだいのひとりとして同じ屋根の下で暮らしているという感じですね」
——子どもが10代になると思春期を迎え、反抗期になるお子さんもいます。そんな時期はどう対処しましたか。
「そういう時期はあまりなかったのですが、たまに話をしているときに、完全に心がここにない目になっていることはありましたね。そのときは、すかさず“今反抗期来てるよ!” “私のこと、うざいと思ってるでしょ?”と先に言っちゃいますね。そのおかげか、わかりやすい反抗期や無視もなくてハグもしています。
もちろん、思春期の男子特有の匂い問題があるときは、『臭いから洗って』とかはあります(笑)。ざっくばらんにやっていますね」
——ちなみに家でこれだけは守っているというルール、土屋家の家訓はありますか。
「”嘘をつかない”ということは伝えていますね。誰でも経験するものではあるし、大人も嘘をついてしまうことがあるので絶対ではないのですが、”人を傷つける嘘は、全部自分に返ってくる”と教えています。1回目の嘘、2回目の嘘、嘘をつくとつき続けなくてはいけない。苦しいのは自分ですが、それまでにどれだけの人を傷つけてきたのかを考えなさい、と。
現実的なもので言えば、部屋に閉じこもらない。ちょっとでも部屋に閉じこもりそうになったら、みんなで映画を観たり、“何やってるの〜?”“おいで〜!”と声をかけますね。
成長とともにひとりの時間も大事になってくるんだけど、私がいなくなったあと、残るのはきょうだいだけだから、そこの絆は強くして欲しい。年齢が離れているからこそ、いっぱい喧嘩をして、いっぱい話して、お互いを守り合って欲しい。だから私との会話よりも、きょうだいで一緒に遊びなさい、と伝えています」
——きょうだいの仲がよければよき相談相手にもなるし、頼れる存在になりますよね。
「あとは困っている人は助ける、弱いものいじめはしない。例えば、飛行機でバッグを取ろうとしている年配の人がいたら手伝うとか。気づいたら、すぐ行動に移すようにと言っています。私はついやり過ぎちゃうタイプだから、逆に気をつけてと注意されちゃうんですけど(笑)。見てみぬふりって、いちばん怖いじゃないですか。