世界で叫ばれるメディアリテラシーの重要性――デジタル社会に振り回されないために
「メディアリテラシー」という言葉を聞いたことがありますか?
情報の洪水の中に生きている私たち。溢れる情報の中から、自分にとって有益なものを正しく選び取ることができる能力は、人生においてとても重要なことです。
子どもの頃からその術を知り、訓練していくことが、いま求められています。子どものお手本になるべく知っておきたい「メディアリテラシー」についてみていきましょう。
メディアリテラシーとは
『日本大百科全書:ニッポニカ』によると、メディアリテラシーは以下のように定義されています。
新聞やテレビなどの内容をきちんと読みとりマスメディアの本質や影響について幅広い知識を身につけ、批判的な見方を養い、メディアそのものを創造できる能力のこと。
(引用:コトバンク|メディアリテラシー)
多くの情報を評価し、識別し、選択するための能力と言えます。日々、テレビや新聞、ネットニュースなどでたくさんのニュースが配信されていますが、まずはそれらが “全て” ではないことを知ることが大事でしょう。
何気なく入ってくる情報をやり過ごしてしまいがちな忙しい日々ですが、これからはますます必要となってきそうな能力です。
なぜ「メディアリテラシー」を学ぶ必要があるのか
近頃は“フェイクニュース”も氾濫しているため、知りたい、知る必要があることなどについて、時には受け身ではなく、自分で情報を収集し、総合評価できるようになることが特に重要です。
子どもへのメディアリテラシー教育の普及に尽力されている、元TBS報道キャスターの下村健一氏は次のようにおっしゃっています。
「フェイクニュースかどうか調べるためのファクトチェックのサイトの信用性まで疑われる今、結局メディアを信じられなくなり、自分の気にいる偏った情報だけを信じてしまうようになると、社会の分断は進むばかり。最初に得た情報以外の他の情報も受け止められるキャパシティーを残しておくためにも、情報の受け取り方を子どもの頃から身にしみこませるように学んでおかないと手遅れになります。」
情報に踊らされないために、偏った情報で偏見を持った人にならないために、そしてダイバーシティの世界で生きていくために、メディアリテラシーを身につけなければいけないのですね。またメディアリテラシーを学ぶことは、子どもの視野を広げることにもつながっていくでしょう。
メディアリテラシー教育の現状
実際に世界では、子どもへの教育はどのようになっているのでしょうか。