子育て情報『我が子の自己肯定感を育むなら“親の基本”の徹底を。「見返りを求める」は絶対NG!』

我が子の自己肯定感を育むなら“親の基本”の徹底を。「見返りを求める」は絶対NG!

コミュニケーションが上手な人というと話し上手な人をイメージするかもしれません。でも、そうではなくて、「相手にきちんと注意を向けられる」人なのです。子どもを育てる親にはこの力が絶対に必要です。

犬を見た幼い子どもが「あ、ワンワン!」といったとします。親は子どもの言葉に応答して犬に注目しながら、「ほんとだ、ワンワンだね」と答えるでしょう。簡単にいえば、これがコミュニケーションです。自分や、自分が関心を向けている「コト」や「モノ」に、相手も関心を持って応じてくれることが、人はもっともうれしいことなのです。

コミュニケーションを通じて、子どもは自分が提供した話をちゃんと親が聞いてくれたことの喜びや、親とのつながりを感じます。
そして、「自分はここにいていいんだ」と自分の存在価値を感じ取ることになるわけです。これは人間にとって重要なソーシャルスキルである「自尊心」「自己肯定感」を育てることに他なりません。子どものソーシャルスキルを育ててあげたければ、まずは親がきちんと応答してあげること――。それが基本中の基本となります。

我が子の自己肯定感を育むなら“親の基本”の徹底を。「見返りを求める」は絶対NG!


『感情の正体 ――発達心理学で気持ちをマネジメントする』
渡辺弥生 著/筑摩書房(2019)
我が子の自己肯定感を育むなら“親の基本”の徹底を。「見返りを求める」は絶対NG!


■ 法政大学文学部心理学科教授・渡辺弥生先生 インタビュー一覧
第1回:「あきらめない力」も「あきらめる力」も大切!子どもの決断力を伸ばす家庭教育法
第2回:我が子の自己肯定感を育むなら“親の基本”の徹底を。「見返りを求める」は絶対NG!
第3回:劣等感を自尊心に!寝る前に親子で実践、「レジリエンス」の簡単トレーニング法(※近日公開)
第4回:「10歳の壁」ではなくて「10歳の飛躍」!親が我が子の10歳をもっと面白がるべき理由(※近日公開)

【プロフィール】
渡辺弥生(わたなべ・やよい)
大阪府出身。法政大学文学部心理学科教授。筑波大学卒業、同大学大学院博士課程心理学研究科で学んだあと、筑波大学文部技官、静岡大学助教授、ハーバード大学在外研究員、カリフォルニア大学客員研究員等を経て現職。同大学大学院特定課題ライフスキル教育研究所所長も務める。専門は発達心理学、発達臨床心理学、学校心理学。『まんがでわかる発達心理学』(講談社)、『小学生のためのソーシャルスキル・トレーニング スマホ時代に必要な人間関係の技術』(明治図書出版)、『イラスト版 子どもの感情力をアップする本 自己肯定感を高める気持ちマネジメント50』(合同出版)

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