「父親のかかわり」で食は2倍豊かになる! 料理が苦手でもできる食育の方法とは?
お母さんに「これはどうやってつくったの?」と質問すれば、子どもは調理法にも興味を持つようになるでしょう。
また、子どもの知識を引き出すということもできます。小学生になれば子どもたちは学校で毎日学んでいますから、大人なら忘れてしまったようなことも知っていたり、現在進行形で勉強している子どものほうが最新の知識や正確な情報を持っていたりすることも珍しくありません。
栄養のこと、食べものの旬、食の安全、環境といったことについての話をすれば、学校で学んだ知識と実生活が結びつくので、学びがより楽しいものになるはずです。その会話のなかで、わからないことや疑問が出てくれば、食後にインターネットや教科書で一緒に調べてみましょう。そうすることで、子どもの食への意識はぐっと高まります。
このように、料理が苦手なお父さんでもできることはたくさんあります。ここで紹介したことは一例ですから、自分の知識や経験を生かして、子どものためにお父さんができる食育をたくさん探してみてください。
『白熱教室 食生活を考える』
松島悦子 他 著/アイ・ケイコーポレーション(2016)
■ お茶の水女子大学生活科学部・松島悦子先生 インタビュー一覧
第1回:「食育=食生活の教育」ではない!?常識を超えた、食育の“真のねらい”
第2回:「家族で食べたい」と素直に言えない子どもたちに、親がすべき“食事の場”づくり
第3回:子どもに「調理」をさせるメリット。料理をする子・しない子の“内面”の大きな違い
第4回:「父親のかかわり」で食は2倍豊かになる!料理が苦手でもできる食育の方法とは?
【プロフィール】
松島悦子(まつしま・えつこ)
お茶の水女子大学生活科学部非常勤講師。専門は食育、家族社会学、消費者科学。お茶の水女子大学家政学部食物学科卒業、同大学大学院人間文化研究科博士後期課程修了、博士(社会科学)。東京ガス都市生活研究所勤務、お茶の水女子大学食育プロジェクト講師、和洋女子大学家政学群准教授を経て現職。著書に『子育て期女性の「共食」と友人関係』(風間書房)、『白熱教室 食生活を考える』(アイ・ケイコーポレーション)、『食物学概論』(光生館)、『消費者科学入門』(光生館)などがある。
【ライタープロフィール】
清家茂樹(せいけ・しげき)
1975年生まれ、愛媛県出身。出版社勤務を経て2012年に独立し、編集プロダクション・株式会社ESSを設立。
ジャンルを問わずさまざまな雑誌・書籍の編集に携わる。
「上手だね」はNG! 自由な発想と創造力のある子がAI時代に強いわけ