図書館の本の9割は○○系! 子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由
読み聞かせの絵本を探したり、子どもが調べ学習に利用したりするときに、図書館はとても便利な場所ですね。公共図書館は、地域の住民なら大人から子どもまで無料で利用できます。いつから、どんなふうに利用すれば良いのでしょうか?学校図書館の改革も進めている児童文学評論家の赤木かん子さんに、図書館の上手な使い方についてお聞きしました。
編集/木原昌子(ハイキックス)取材・文/田中祥子写真/児玉大輔(インタビューカットのみ)
図書館デビューは何歳から?
子どもの図書館デビューは「0歳から!」です。生まれたらすぐに、子どもの名前で図書館カードを作ってあげてください。そのためには、妊娠する前でも後でもよいので、動ける間にお母さんがお近くの公共図書館に行って、どういうサービスが受けられるか聞いておくと良いですね。
図書館には、0歳からでも楽しめる絵本がたくさんあります。『ぴょーん』(ポプラ社/作・絵まつおかたつひで)は、カエルやネコなどの動物がジャンプを繰り返す動きと擬音を楽しむ絵本です。
見開きページを縦に使い、大胆でユニークな動物の動きを表現しています。読み聞かせをしてあげると、かなりの赤ちゃんが夢中になりますし、こういった本が図書館にはたくさんあります。
小さいお子さんに本を読むときに大事なことは、大人の思い通りに聞かせようと頑張らないことです。子どもが「これがいい」といったら読んであげればいいし、「イヤだ」といったら本を閉じればいい。また、最初から最後まで必ず読まなければいけないということもありません。そのときの子どもの気持ちに沿ってあげることが大切です。
図書館の分類を覚えると本探しが楽になる
子どもが図書館で目的の本を探すときは、「分類」を知っておくと便利です。日本の図書館で使われている分類方法は、日本十進分類法(NDC)という方式。
内訳は「0.総記、1.哲学、2.歴史、3.社会科学、4.自然科学、5.技術、6.産業、7.芸術、8.言語、9.文学」の10個です。
一見、子どもが理解するには難しいような印象を受けますが、実は「分類」というのは3歳から7歳頃までにみられる遊びです。子どもは3歳くらいになると「分類ごっこ」と「定義ごっこ」をはじめます。よく小さな子どもが何度も「これなあに」と聞いてくることがありますが、それもこの遊びのひとつですね。ミニカーの中でも赤い車ばかりを並べてみたり、なにかを集めて自分なりの分類体系を作り、それを眺めて悦に入ったりするのが分類ごっこです。