子育て情報『図書館の本の9割は○○系! 子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由』

図書館の本の9割は○○系! 子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由

ですから、教えてあげれば理解することができますよ。

低学年向けに調べ学習のやり方について書いた『本で調べてほうこくしよう』(ポプラ社)では、分類クイズのページをつくってあります。細かに分類されている書架の絵を見ながら、サメの本はどこに入るのか、かけ算の本はどこに入るのかなどを考えさせるものです。この分類をこと細かく覚える必要はありませんが、スーパーで買い物するときに「野菜はあそこだな、牛乳はあそこね」と考えるように、「こういう本はこの辺にあるな」ということをちょっと意識できるようになると、本を探すのが楽になります。

もしも分類が分からない場合でも、今の図書館には検索機があります。それで見つからなければ図書館の人に聞いてください。忙しそうなのに悪いなぁ、と思わずに聞いていいのです。それは司書の仕事のひとつなのですから。


図書館の本の9割は○○系! 子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由


“読書”で読む本は物語だけじゃない

本は、小説や絵本などの「空想系」と、解説文や生活分野などの「リアル系」に分かれます。たとえば物語は「空想系」で、自然科学の図鑑は「リアル系」ですね。先ほどの日本十進分類法で分類する10項目のうち、「空想系」は“9.文学”の1項目だけで、残りの“0~8”は「リアル系」です。つまり、図書館はどちらかといえば「リアル系」の本がある場所といえるでしょう。図書館に来たら文学や小説を読むように子どもにすすめる親御さんもいますが、実は本来の図書館は、そのときに必要なリアルな情報を探しに行くところなのです。

生まれたときからスマートフォンやコンピュータに囲まれて育った最近の子どもたちは、読書の傾向が昔と変わってきています。自然科学の本を好み、子どもっぽい本を嫌います。『世界で一番美しい元素図鑑』(創元社)は大人向けに作られた本ですが、小学校1年生の子たちからも借りられています。
文化の違いが、読まれる本の違いに直結しているのです。大人の「読ませたい本」と子どもの「読みたい本」が違っているのは、こういった時代の違いという理由もあるからでしょう。
図書館の本の9割は○○系! 子どもに物語をすすめる親が図書館を活用しきれていない理由


子どもを本好きにするには、子どもの喜ぶ本を読ませることが一番です。もしも子ども用の図鑑に満足しない子がいたら、児童向けコーナーからではなく、大人の自然科学の棚から本を探してきてください。写真が大きくて美しい図鑑がたくさんあります。文字は、まだ読めなくてもいいのです。本物のビジュアルが伝えてくれる情報はとても多いのですから。

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