コーチングで子どもの自己肯定感がぐんぐん育つ! 会話のポイントは“聞き方”にあり
また、質問して返ってきた子どもの答えが、自分の意図から外れるものだったとしても、決して否定してはいけません。いきなり「○○のほうがいいと思うけど」と返答してしまうと、子どもは「言ってもしょうがない」と思ってますます口を閉ざすようになります。
まずは一度受け止めるのが正解です。
「なるほど。そう思ったんだね。なんでそう思ったの?」
と最初に共感してから理由を聞いてみると、意外と納得できるかもしれませんよ。
もしくは、
「なるほどね、そう考えたんだね。もしも、そのままやってケガをしそうになったらどう対応する?」
といった質問を返して、子ども自身がリスク回避策を考えるよう促すのもテクニックのひとつです。
ネガティブ発言ばかりでも共感してあげて
おしゃべりが好きで、こちらの質問にもポンポンと答えてくれる子がいる一方で、自分の発言に自信を持てずに口数が少なくなってしまう子もいます。
「どうせぼくなんて」「どうせ私なんて」
お子さんがそうつぶやいていたら、どのような言葉を返しますか?
おそらくほとんどの親御さんは、「そんなことないよ。あなたはやればできるんだから大丈夫!自信もって」と励ますはず。しかし、「コーチングという視点から見ると、この対応は正しくありません」と指摘するのは、『子どもの心のコーチング』(PHP文庫)の著者で、NPO法人 ハートフルコミュニケーション代表理事の菅原裕子さんです。
その理由は、「そんなことないよ」と子どもの言葉を否定していること。最初に否定されてしまったら、こどもは自分の気持ちをわかってくれないと感じてしまいます。たとえネガティブな発言ばかりが目立っていても、「そうなの。それはつらいよね。
何があったの?」と同じ目線で会話をスタートさせることが大事です。子どもが前向きな気持ちを取り戻せるように支援するのが、コーチングのスタンスだと覚えておきましょう。また、前出の石川さんによると、「こちらが言いたいことや聞きたいことのみ焦点を当てるのではなく、子どもが話したいことにアンテナを立ててて、子どものペースに合わせて対話を重ねることが大事です」とのこと。
「うちの子は話さない」と決めつけないで、子どものペースやタイミングに合わせて話すように心がけると、子どもの内側の深い部分に触れることができるはずです。
日頃から子どもに対してつい言ってしまう言葉にも注意が必要です。