「わたしの子=わたしのもの」と思ってはダメ。“傾聴力”で子育てはもっとうまくいく!
なにか理由があって、意を決してそういっているわけですから、親ならその言葉の向こう側にある事実や、子どもの思いを聴いてあげる必要がある。
では、どうすれば子どもの本心をしっかり聴くことができるのでしょうか?それは、コミュニケーションを取る以外にありません。この例の場合なら、子どもが「学校に行きたくない」と言葉を発しているわけですから、すでにコミュニケーションを取ることはできています。そこでもう1段階、コミュニケーションを先に進めてほしいのです。親の勝手なものさしで叱るのではなく、「どうしたの?なにかあったの?」と、子どもからさらなる言葉を引き出すことを意識すべきです。頭ごなしに親のものさしで意見をいうのは、コミュニケーションではないのです。
また、言葉に頼ることだけがコミュニケーションではありません。「聴」という文字には、「耳」という字に加えて、「目」「心」が含まれます。
つまり、耳だけではなく目や心も駆使して、子どもの本心をくみ取ることが大切なのです。
子どもを「ひとりの人間」としてとらえることの重要性
子どもの言葉や本心をしっかり聴くには、先の例にも表れているように、親のものさしを子どもにあてはめないことがなにより大切。そうしないためにも、子どもを自分の「持ちもの」ととらえないようにすべきです。「わたしの子=わたしのもの」と思うと、つい親は自分のものさしで子どもを測ることになるからです。
子どもとは、親とまったく別の人格を持つ「ひとりの人間」です。ですから、大人同士がそうであるように、子どもは子どもなりに親を試している部分だってある。その傾向は、2歳くらいの小さい子どもにも見られることです。たとえば、なにか欲しいものがあって駄々をこねたとします。
そのときの親の反応を見ながら、子どもは「お父さんはこうやって駄々をこねたら欲しいものを買ってくれる」「お母さんはこれだけ泣けば買ってくれる」というふうにしっかりと観察しているのです。
そういう場面でこそ、子どもをひとりの人間としてとらえることが重要です。それを理解していれば、ただ親のものさしで「駄目!」といったり、かわいい「わたしの子」だからとものを与え過ぎたりすることもなくなるでしょう。きちんと、子どもの主張に耳を傾けたうえで、本当に必要なものなら買い与えるという判断ができるようになるはず。あくまでも、子どもは「ひとりの人間」