寝不足が引き起こす深刻な問題。睡眠時間が少ない子の記憶力は“あまりよくない”
早寝を定着させるためにできること
早起きするという取り組みとあわせて、早寝に向けてできることもたくさんあります。実践できれば気持ちよく早寝早起きができるようになるはず。明治薬科大学で心理学の教鞭をとる駒田陽子准教授によるお話を中心に、早寝のコツをまとめてみました。
■日没後は白熱灯色の照明の部屋で過ごし、寝る前のスマートフォンやゲームも避ける
スマートフォンやゲーム、パソコンなどから出るブルーライトを寝る前に見るのがよくないことは、広く知られています。それは、眠りを促すための「メラトニン」というホルモンの分泌を妨げ、体内時計を狂わせることにつながり、寝つきに影響が出てしまうため。
また、子どもの目の水晶体は大人より澄んでいるため透過性が高く、光の影響をより強く受けてしまうことから、寝る直前に蛍光灯や明るい白色LEDの下で過ごしてしまうと体内時計が夜型化しがちになります。家では、日没後はできるだけオレンジ色がかった白熱灯色の光の間接照明やダウンライトなどを利用するのがおすすめです。
■お風呂を夕食の前にしてみる
ヒトの1日の体温のリズムとしては、夕方に体温が高く、だんだん下がってくると眠くなってきます。
そんなとき、熱いお風呂に入ると、下がりかけた体温がまた上がって眠りにくくなることも。寝つきが悪い場合は、夕食とお風呂の順番を逆にしてみるとうまくいくこともあります。寝る前のお風呂は、お湯の温度はぬるめにしましょう。
■親も一緒に早寝をする
夕食後は親と子どもが一緒に居間でテレビを見て過ごすことも多いかと思いますが、親が寝ないでテレビを楽しんでいれば、子どもも「まだまだ寝たくない」となるのは当然です。また、寝かしつけをしようとして親も一緒に寝てしまって、慌てて起き出して深夜に残りの家事を片付ける……ということもあるかと思いますが、ばらばらに分断された睡眠はかえってつらいもの。思い切って子どもと一緒に早く寝て、がんばって朝早く起きたほうが、まとまった睡眠時間が確保できてよいでしょう。
■週末や長期休み期間中も夜更かししない
週末や長期休暇中ならいいだろうと、夜更かしをしたり朝になってもダラダラと寝ていたりすると、時差ボケと同じような状態になってしまいます。体内リズムの乱れは翌週の前半まで続き、日中のパフォーマンスを低下させてしまいます。
また、子どもの学習に影響が及ぶことも。