親が先回りしたら「自己決定力」は育たない。幼くても決断力を伸ばせる声かけのコツ
その多くは先取りしてなにかを伝えること。それは、その子がなにを必要としているかではなく、こうしたことがあとで役に立つのではないかといった「先回り」です。でも、それは、その子の個性や、興味関心に合っていない可能性もあります。
日本よりも海外が優れているというわけではないですが、欧米などでは幼い子どもに対しても、食事をする際には「なにをどれくらい食べたい?」というふうに、基本的に「あなたはどうしたいのか?」ということを確認し、決断させることを目にすることがあります。もちろん、日本には日本の良さもあるのですが、もう少し自己決定の文化を取り入れるのも大切なのではないでしょうか。
それこそ、子どもが着る服を選ぶにも、着せ替え人形のように親が服を決めてしまうのではなく、夜に寝る前に「明日はどの服を着ようか?」というふうに、子どもに選ばせてもよいのかもしれません。
ただ、子どもの興味関心は十人十色。服を自分で選ぶことにまったく興味を示さない子どももいるでしょう。
そこで、「自己決定力が大切だ」と考え、「どうして自分で選ばないの!」と叱ってしまっては本末転倒です。その子にとっては、「服には興味がない」「服は自分で選ばない」ということも自己決定なのです。ですから、その子が本当に興味を持っていることについて自分で決断させればいい。
「切り替える力」を得ることにもつながる自己決定
また、まだ小さい子どもの場合だと、たとえ興味があることに対してであっても、自分で決めることはそう簡単ではありません。そういうときは、子どもに選択肢を与えてはいかがでしょうか。服を選ばせるのであれば、いくつかの服を見せて「どれにする?」と選択させるのです。
この行動は、「切り替える力」を伸ばすことにもつながります。遊びに夢中になっている子どもも、ご飯やお風呂の時間が迫ってきたら、切り替えておもちゃを片づけ、やるべきことをやる必要がある。
しかし、小さい子どもにとっては、その切り替えがなかなか難しいのです。
親としては、予定通りに遊び終えない子どもに「いつまで遊んでいるの?」といってしまうこともあるでしょう。でも、子どもにもまだやっていたいという気持ちがあって、なかなか終われないのかもしれません。そこで、その子の自己決定を促すための声かけをしてみてはいかがでしょうか?
たとえば、「時計の大きい針が3のところまできたら、おもちゃを片づけようか」