自己肯定感はアートで高める! 「自ら考え、かたちにする」を繰り返し、自信を持てるようになる
近頃、子ども教育に関する記事やニュースに頻繁に登場する、「自己肯定感」というキーワード。その自己肯定感は、子どもが健全に育つために重要なものだとして注目を集めています。「自己肯定感はアートによって高められる」というのは、子ども向けのアート教室を運営する今泉真樹先生。いったいそれはどんな方法なのでしょうか。
インタビュー写真/石塚雅人
アート活動写真/今泉真樹
大人の思い込みによる判断基準で子どもの絵を評価しない
ご存じのとおり、「自己肯定感」とは、自分を尊重し、自らの存在そのものを認め、「自分はかけがえのない存在」だと感じられる気持ちのことを指します。自分の人生を肯定的に受け止め、豊かなものにしていくために欠かせないものです。
わたしが運営している「アトリエ・ピウ 知育こどもアート教室」の目的のひとつが、子どもたちの自己肯定感を育むことです。そのために大切なのが、幼い子どもが自由に表現したアートに対して、親など周囲の大人が、思い込んでいる「うまい下手」の判断基準によって評価しないということ。
(インタビュー第2回参照)。
こういった環境下では、親が「うまい」とよろこぶような絵を描かなければならないと子どもは考えてしまいます。たしかに、大人が教え込めば、その子どもの絵は大人が勝手に思う「うまい絵」になっていくかもしれません。でも、それは大人にいわれたままに描いているだけのこと。表現の自由を奪われてしまうと、「自分でできた!」という達成感や自信を得られず、自己肯定感が育まれないということになってしまうのです。
自由に表現するからこそお絵描きを楽しめる
子ども自身に考えさせ、模索させる
わたしのアトリエでは、「子どもたちがつねに自分で考え、自分の力でかたちにする」という指導をしています。「できない!」とすぐにあきらめる子どもに対して、やり方を教えるほうが、大人にとっては楽です。しかし、そこをぐっと我慢して、「どうしたらできるかな?」と子ども自身に考えてもらうよう、促しています。
大人に頼ることを覚えてしまった子どもは、自分でなかなか考えようとしません。
あきらめかけている子どもには「きっとできるよ!」と励まします。大人も忍耐が必要です。でも、自分で答えを出せたときの達成感を味わい、自信がつくと、「自分でやる」といい出します。どんな問題でも必ず自分で考えて、かたちにできるよう、生きる力をつけてほしいと願っています。