子どもの「困った行動」、親の過干渉・ダブルバインドが原因かも!?
「すぐに手が出る」「友だちが嫌がることをする」「先生に反抗的な態度を取る」……そういった子どもに手を焼いている方、もしくはお子さんのクラスに問題ばかり起こす子がいて困っている方も多いのではないでしょうか。
今回は、乱暴や意地悪ばかりして周囲を困らせる子どもについて、その心の中をのぞいてみましょう。
荒れる子どもは「親の過干渉」が原因!?
文部科学省の調査によると、小学校低学年の学校での暴力行為や学級崩壊の件数は、ここ数年で急増しているそう。白梅学園大学教授の増田修治先生は、小学校低学年の学級崩壊は「児童たちの『先生にかまってほしい』という気持ちが原因で起こる」と述べています。たとえば、授業中に生徒のひとりがおしゃべりしたりふざけたりすると、先生はその子を注意します。その様子を見たほかの子たちも、先生の気を引くために便乗することで、結果的に学級崩壊へとつながるのです。
また増田先生は、「親が『過干渉』になったことで、子どもが家の外でも誰かに頼ったり、甘えたり、かまってもらったりすることが当たり前だと思うようになっている」傾向があると指摘します。昔は兄弟が多く、子どもを放任する家庭がよく見られましたが、現代ではひとりっ子が増えて、親がつきっきりでかまってくれるようになりました。
それが結果的に子どもの自立心を阻み、子どもが家庭の外でも手厚い対応を求めるようになったのです。
このように、親の過干渉は、幼稚園や小学校での子どもの態度に悪影響を及ぼしています。ほかにも、子どもが荒れてしまう原因はいくつか挙げられるので、詳しく見ていきましょう。
子どもの「乱暴・いじわる・うそ」はなにが原因?
子どもが荒れてしまう原因は、「親の過干渉」だけではありません。
■「叩くといいことがある」と勘違いしている
すぐに手が出る乱暴な子を見て、「きっと家で親が子どもを叩いているに違いない」と思っていませんか?たしかに、「お友だちを叩くのはいけないこと」だと子どもにわからせるために、あえて叩いて叱っている親もいるかもしれません。しかし、親は決して子どもを叩くことがないのに、なぜか子どもはすぐに手が出てしまうというケースも。心理学に基づいた育児メソッドを提唱している佐藤めぐみさんは、「人間は、自分で起こした行動でいい思いをすると、その行動を繰り返しやすくなる」と述べています。つまり、何度言い聞かせても叩くことをやめない子どもは、「相手を叩くことで、何かしらの恩恵を受けている」