「自分にイライラ」「ママ、こっち見て!」――癇癪(かんしゃく)を起こす子の心のなか
聞き分けがなく、気に入らないことがあるとすぐに泣きわめく、暴れる、親が怒れば怒るほど手がつけられなくなり、もうどうしたらいいかわからないーー。どんなに愛情をもって育てていても、子どもがかんしゃくを起こすと、かわいいと思えなくなることもあります。
しかし子どもは、親を困らせるためにかんしゃくを起こしているわけではないのです。今回は、子どもがかんしゃくを起こす原因とその対処法について、くわしく説明していきます。
子どものかんしゃくは大事な成長過程のひとつ
子どものかんしゃくといっても、その状態は子どもによってさまざまです。一般的には2~4歳頃、イヤイヤ期と前後するくらいの年齢において、「泣きわめく」「叫ぶ」「手当たり次第に物を投げる」「手足をバタバタさせて暴れる」などの様子が見られます。とはいえ、かんしゃくを起こしやすい気質をもっている子もいれば、普段は穏やかなのにある一定期間だけ激しくかんしゃくを起こす子もいます。
保育士として15年以上にわたり保育業務に携わっている市川由美子先生は、「子どものかんしゃくは、大事な成長過程のひとつ」とし、「ほとんどのお子さんが5歳頃には落ち着いてくるので、親はあまり深く思い悩まずに、対応を工夫しながら見守ることが大事」と述べています。
いま現在お子さまのかんしゃくにお悩みの方や、イヤイヤ期が終わってホッとしているのに、これからもっとひどい時期が訪れるのかと不安を感じている方もいるかもしれません。でも安心してください。子どもがかんしゃくを起こす時期を親子で一緒に工夫しながら乗り越えた先には、大きく飛躍したお子さんの姿が見られるはずです。
子どものかんしゃくを恐れたり、対処法がわからずにイライラして落ち込んでしまったりするのは、かんしゃくについての知識が足りないからとも言えるでしょう。かんしゃくが起こる原因、かんしゃくを起こす子どもの気持ち、そしていくつかの対処法を知れば、必要以上に恐れずにすみます。
子どもが床に寝転がって大泣きする原因
子どもをスーパーに連れていったところ、「お菓子を買って」とせがまれ、「昨日買ったでしょ。今日はダメだよ」と言ったら、火がついたように泣き出し、床に寝転がってバタバタ暴れるーー。公園に遊びに行き、「もう帰るよ」と声をかけたところ、「いやだ!まだ遊ぶ!」と言ってきかない。
困り果てて無理やり連れて帰ろうとすると、大声で泣き出して力いっぱい叩いてくるーー。