「自分にイライラ」「ママ、こっち見て!」――癇癪(かんしゃく)を起こす子の心のなか
と説くのは、発達心理学を専門とする京都大学大学院准教授の森口佑介先生です。
森口先生によると、突然かんしゃくを起こすなど感情をコントロールできなくなる子どもは、ストレスに弱いという特徴が見られるそう。また、日常的にストレスを受け続けた子どもは、ストレスに対して耐性ができるどころか、逆にストレスに対して敏感になります。すると、ちょっとした嫌な出来事に対しても激しいストレスを感じてしまい、結果的にかんしゃくというかたちで表面化してしまうのです。
このように、かんしゃくは本人の気質によるものや、発達段階における成長の証、親子間のコミュニケーションの問題など、要因となるものは千差万別であるといえるでしょう。
子どものかんしゃくへの対処法
大勢が見ている場所で子どもがかんしゃくを起こすと、いたたまれない気持ちになり「なんとかして静かにさせなければ」「早くこの場から立ち去りたい」と焦ってしまいますよね。しかし、親が焦れば焦るほど、子どもはますますヒートアップして手がつけられなくなってしまうことも……。
子どもがかんしゃくを起こしたときの対処法は、ひとつではありません。
お子さんの様子や成長の過程を見ながら、その状況に適した対処法を見つけ出しましょう。いくつか実践例をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
■「イライラしたときはどうする?」と事前に聞いておく
いざかんしゃくが起こってしまうと、収めるのは大変です。ですから、まずは事前の対策をしっかりと練って、かんしゃくを起こさせないように先回りして対処しましょう。
おすすめは、子どもの状態が比較的落ちついているとき、親子で「かんしゃくが起こったときにどうするか」を決めておくこと。前出の伊藤明子先生によると、「イライラしたり、怒ったりしたときはどうする?」と聞き、子ども自身にどうしたらいいのかを決めさせるといいそうです。お気に入りのぬいぐるみやタオルに触る、空を見上げて深呼吸するなど、本人が考えた対処法であれば、スムーズに気持ちが切り替わってクールダウンできるでしょう。
■時間や回数など、具体的な数字を伝える
親の声かけひとつで、子どもはかんしゃくを起こさず、落ち着いてその場を切り抜けられます。
たとえば公園で、「まだ遊びたい」と駄々をこね始めたとき、「急いでいるからダメ!」「早く帰るよ!」と頭ごなしに言いつけるのはもちろんNGです。