「ひとり遊び」に熱中してこそ、友だちとも遊べるようになるワケ【てぃ先生インタビューpart3】
それなのに、「友だちと一緒に遊ぶことが大切だ」と勝手に考える大人が無理やり子どものひとり遊びを中断させてしまえば、子どもは集中力を育むことができなくなるでしょう。そうすると、保育士や親の言うことを聞かずに走り回るような子どもになってしまいかねません。
また、子どもの集中力を育むこと以外にも、ひとり遊びが重要な理由があります。ひとり遊びをしっかりすることで、大人が求めるような「友だちと一緒に上手に遊べる」子どもになれるのです。
ひとり遊びを徹底的に経験した子どもは、「もっと自分の遊びを広げたい」という発想をもつようになります。そして、自分が遊んでいる場にいる別の子の遊び方に目を向けるようになり、「○○君の遊び方、すごくおもしろそう!」と思う。これが、子どもにとって友だちとの関わりにおける最もいい最初のステップです。
友だちの遊び方に魅力を感じた子どもは、まずはそのまねをするでしょう。
そこからさらに進んで、「○○君、それどうやってるの?」「一緒にやりたいな」というふうに直接的な関わりをもつようになる。自分ひとりでじっくり遊べるようになることこそが、結果的に友だちと一緒に遊べるようになることにつながるのです。
家庭で「順番」や「貸し借り」を経験させる
そうして子どもが友だちと遊ぶようになっても、親の心配は尽きません。友だちと一緒に遊ぶようになったらなったで、今度は遊びのなかでのトラブルについて心配します。たとえば、「遊びの順番を守れるのか」「おもちゃの貸し借りがきちんとできるのか」といったことです。
でも、子どもが順番の概念を理解できるのは3歳頃、そしてきちんと順番を守ることを実行できるのは4歳頃からです。子どもの年齢によっては、そもそもできないことを親が求めているだけというケースもあるのです。
また、別の問題として、順番や貸し借りの経験をいきなり「本番」でさせてしまっているというケースもあります。
公園で子どもたちが遊んでいるなかで、遊ぶ順番やおもちゃの貸し借りをめぐってトラブルになったとしましょう。そのときに、いくら順番を守らせたりきちんと貸し借りをさせたりしようとしても、経験がなければそうできるはずもありません。
ですから、順番を守ったりおもちゃを貸し借りしたりする経験を家庭で積ませてあげる必要があります。親であるみなさんが「この絵本、パパに貸して」