母親は「約7年6ヶ月」、父親は「約3年4ヶ月」。わが子と〇〇する時間の短さに涙が出そうーー
親からの愛情をたっぷりと受け止めている子は、社会性や自立心が育まれます。「子どもにベタベタしすぎると、わがままになって親離れしなくなるのでは?」と心配する声も聞かれますが、実際には、親からの愛情を確信している子どもは、自己肯定感が高まり、何事にも自信をもって取り組むことができるようになるのです。
また、親子のスキンシップから「オキシトシン」というホルモンが分泌されることにより、心が満たされて自尊心や人への信頼感が増す効果も期待できます。子どもを抱きしめることは、子どもの心の成長にも確実によい影響を及ぼすというわけです。
でも慣れていないと、言葉で愛情を伝えたりハグしたりするのは気恥ずかしいものです。桜美林大学リベラルアーツ学群教授の山口創先生によると、「子どもとの遊びのなかに取り入れると楽しく触れ合うことができる」とのこと。
こちょこちょくすぐり合う、「ずいずいずっころばし」のような手遊び歌で楽しむ、など自然にスキンシップできる遊びはたくさんあります。みなさんがやりやすい方法で、お子さまとの触れ合いの時間を楽しんでみましょう。
では、自分の親と過ごせる残り時間は?
番組では、「親と一緒に過ごせる残り時間」についても言及していました。つまり、自分の親と顔を合わせて過ごせる時間があとどれくらい残っているか、ということ。保田先生は、次のように解説しています。
親と離れて暮らしている人の場合、1年のうちお盆に3日、お正月に3日など、親と会う平均日数を6日と設定します。しかし、実家に帰っても、丸一日一緒に過ごすケースはあまりありません。総務省統計局の社会生活基本調査によると、実家の親と顔を合わせるのは1日平均4時間程度とのこと。6日間×4時間=24時間。つまり、1年間で親と過ごす時間は24時間、1日分です。
家族間の親密度や住んでいる場所の距離にもよりますが、大人になり日々の生活や仕事に追われていると、つい自分の親と過ごす時間を後回しにしてしまいがちです。しかし、自分の子どもと過ごす時間同様、自分の親と一緒に過ごす時間も無限にあるわけではありません。むしろ、親と過ごす時間のほうが、残りわずかでもあるのです。
あとになって後悔しないように、会えるときには会って、会えないときには声だけでも聞かせてあげたいですね。きっと、私たちがわが子に対して抱いている愛情と同じくらい、親も私たちのことを思ってくれているはずです。