“過保護” はやめなくてもいい!? 子どものために「本当はやらなくていい」7つのこと
子どもの幸せ感度に影響を与える要素のひとつが、「親の過干渉」ということをご存じですか。『世界標準の子育て』著者・船津徹氏は、「親の過干渉が子どもの幸福度を下げる」と警鐘を鳴らしています。
2020年9月にユニセフが発表した『レポートカード16-子どもたちに影響する世界:先進国の子どもの幸福度を形作るものは何か』。この先進・新興国38ヶ国に住む子どもたちへの調査では、日本の子どもの「精神的幸福度」はワースト2位でした。恵まれた環境にありながら、幸せを感じられないというのは深刻な問題です。
もちろん、幸福度を下げる要因は過干渉だけではないでしょう。しかし、子どもに「自分らしい人生を切り開く力」を授けるためにも、過干渉はやめたほうがよさそうです。過干渉育児にならないように「親が本当はやらなくていいこと」を、いま一度見直してみましょう。
親が “本当はやらなくていい” 7つのこと
1. 子どもに早くから読み書きを教えなくていい
多数の著書がある教育学者・齋藤孝氏(明治大学文学部教授)によると、「7歳までは神のうちなので、それまでに生きる力をしっかりと育むことが重要」なのだそう。「親子で共有する時間」を何よりも大切にするべきで、心が十分に育たないうちに詰め込む早期教育はよくないとのこと。読み書きを教えるよりも、絵本の読み聞かせによる情操教育のほうがより大切だと話しています。
また、「塾ソムリエ」として35年以上子どもを指導している中学受験情報局主任相談員・西村則康氏も、「子どもの準備ができていない時期の早期英才教育は、ほとんど役にたたない」と述べています。その理由は、早期教育が人間の脳の成長過程に沿っていないから。早く〇〇できたほうがいいだろうと親は考えがちですが、その考えこそが過干渉になっています。
2. 親は子どもに何でも教えなくてもいい
子どもは「これは何?」「どうして?」など、知らないことは何でも聞いてくるものです。そのとき大人は、その質問に正しく答えなければいけないと思いがち。
でも、大人だって知らないことはありますよね。そんなときは、「お父さん(お母さん)もそれは知らないなあ。一緒に調べてみよう」と、子どもの好奇心に寄り添い、一緒に学ぶ時間を共有しましょう。親が調べたことを教えるよりも、何倍も子どもの成長の糧となるのですから。
アメリカの生物学者で、子どもの感性について綴られた名著『センス・オブ・ワンダー』の著者・レイチェル・カーソン氏も、「『知る』ことは『感じる』ことの半分も重要ではない」