「人に頼る力・甘える力・助けてもらう力」の高い子が、 “なんでも自分でできる子” よりも強いワケ
長い人生、人に迷惑をかけずに自分だけの力で生きていくなんて不可能でしょう。親野氏の言うように、生きていくためには「人に頼る・甘える・助けてもらう」といった能力が必要なのです。
幼児教育の専門家である立石美津子氏も、「人に迷惑をかけてはいけない」「誰かに頼ってはいけない」と、親からインプットされすぎた子どもは、トラブルをひとりで抱え込んでしまうと述べています。
そのような子は、たとえば学校でいじめにあったときでも、「いじめを受けている自分をさらけ出すのは、恥ずかしいことだ」「親を落胆させてはならない」「心配をかけてはならない」という偏った思考になってしまい、親に相談することをためらってしまうのだそう。
そうならないよう、子どもには「人に頼ってもいい」ということを教えなければいけないと、親野氏は言います。「困っているときは誰かに頼ってOK」「相手に迷惑をかけていると思わなくてもいい」と、親が子どもに伝え続けることが大切なのです。
子どもが「頼る力」を手に入れるために親ができること
とはいえ、自分が困っているときの「助けを求めるためのノウハウ」や「上手な助けられ方」などを教えてもらったことがある親御さんは、そう多くないはずです。「人に頼ってもいい」「迷惑をかけているなんて思わなくてもいい」と言葉で伝えること以外にも、子どもの「頼る力」をつけるために親ができることがあります。
専門家のアドバイスをまとめました。
■「困っている人を助けよう」と子どもに伝える
「迷惑をかけるな」という “呪いの言葉” を言われた子どもは、失敗を恐れてチャレンジができなくなり、自己肯定感も下がってしまうと、心理学を取り入れた個別指導塾「坪田塾」塾長の坪田信貴氏は話します。「迷惑をかけるな」ではなく、「迷惑をかけるのはお互いさまだから、困っている人がいたら助けよう」という言葉を積極的に伝えましょう。また、誰かを助けてあげたときに人は「自分が役に立ててよかった」「頼られると嬉しい」と思うはず。前出の吉田氏は、 “頼ったり頼られたりしながら人は生きている” と子どもに教えることが大切だとしています。
■子どもに「自分でできるでしょ!」と言わない
着替えや食事など、子どもは成長とともに自分でできることが増えてきますが、「ママやって」と甘えてくる日もありますよね。そんなとき、「自分でできるでしょ!」