人見知りは才能の証? 科学が明かす内向的な子どもの可能性
『内向的な子のすごい力』著者で臨床心理士の吉田美智子氏は、内向型の長所として「独自の世界観がある」ことを挙げています。ひとりで静かに時間を過ごすことを好む傾向がある人は、その習慣を通じて深い集中力と創造的な思考力を育みます。
まわりの喧騒に惑わされず、自分の内なる世界に没頭できるため、独自の発想や新しいアイデアを生み出せるのです。与えられた情報を鵜呑みにせず、自分なりの意味づけを行なうことで、個性的で創造的な思考が育まれていきます。*5
秘める才能3:他者の感情を敏感に察知する力
じつは、内向型の子どもには共感力があると考えられています。ひとりを好むのに、不思議だと思われるかもしれませんが、西氏は、内気な子ほど「自分の心を掘り下げられると同時に、他人の気持ちもわかる」と言います。「深く考える」力は、自分の心のみならず、人の気持ちも理解しようとする思考につながるのです。*2
吉田氏も、「人の気持ちがわかる」「思いやりがある」点を長所と捉えています。
他人を思いやれる感性は人との関わりにおいてとても大事な力で、重要な素質として将来必ず役立つはずです。*5
内向的な性格に、こんなにもすばらしい力が潜んでいたなんて驚いた人は多いでしょう。そこで次は、家庭で取り組める、内向性な性格を活かすアプローチについてご紹介します。
人見知りの子の「伝える力」を育む方法
深く考える力をもつ人見知りの子や内向的な子が、伝える力を手に入れたら鬼に金棒だと思いませんか?今回は、内向的な子どもの才能を活かすアプローチとして、伝える力を伸ばす方法を紹介します。ライフコーチのボーク重子氏は、伝える力は内向的・外向的にかかわらず「訓練で上達する」と述べています。そこで、まずは家庭内で自分の意見を伝える習慣をつけましょう。
【STEP1】「今日はどんなことがあったか」を発表
夕食時に「今日はどんなことがあったか」を家族全員が発表します。発表と言っても1~2分でOK。
ルールは「いつ、誰が、どこで、なにを、なぜ、どのように」の5W1Hをしっかり盛り込むことのみ。実際にやってみると、想像以上に頭を使うのでびっくりするかもしれません。また、お父さんお母さんも「今日はどんなことがあったか」を発表することで、親子間の情報共有ができます。
【STEP2】月に1回の「3分間スピーチ」
【STEP1】が習慣になってきたら「月に1回の3分間スピーチ」