人見知りは才能の証? 科学が明かす内向的な子どもの可能性
そして、親の過干渉が過ぎると、子どもの「自分で立ち直る力(レジリエンス)が育ちにくくなる」と成田氏は危惧しています。
たとえば公園でほかの子どもたちが遊んでいる様子を見て、自分の子どもが仲間に加わりたがっているとき、親が先回りして「うちの子も入れてあげて」と声をかけることがあります。親としては、子どもが仲間はずれになったり、さみしい思いをしたりするのを避けたいという気持ちからでしょう。
しかし、このような対応を続けていると、子どもが成長しても自ら「入れて」「一緒に帰ろう」と言えなくなってしまうかもしれません。実際、小学生になっても友人グループに加わる際に自分から声をかけられず、帰宅時に友だちと一緒に帰ることができないために孤立感を感じ、最終的に不登校になってしまったケースも……。*3
このように、親が良かれと思って行動することが、長期的には子どもの社会性の発達に影響を与えてしまいます。心配と期待を込めた親の先回り行動が、子どもを内向的な性格へと導くこともあるようなので、気をつけましょう。
人見知りの子は才能の宝庫。内向性を武器にしよう!
前出の西氏の意見もあるように、人見知りの子や内気な性格であることは、さほど心配する必要はありません。それに、内気な子どもがどんな才能を秘めているかを知れば、きっと「内気な子ってすごい!」と思うはずです。さっそく、人見知りの子の秘める才能を見ていきましょう。
秘める才能1:鋭く深い洞察力
内向的な子どもたちの隠れた才能のひとつに、鋭い洞察力が挙げられます。これには脳の構造が関係しているようです。深い思考や内省、行動抑制、社会的な感情の処理などを司る神経細胞が集まる「灰白質」という部分が、「外向型」と比べて「内向型」の脳のほうが厚くなっているのです。これが鋭い洞察力に関係していると、西氏は説明します。
じっくり観察し、深く考える脳の特性から生まれるこの能力は、周囲の細かな変化や人々の感情を敏感に察知することを可能にします。
将来、複雑な問題の解決などが求められる場面で、この洞察力は大きな強みとなるでしょう。ちなみに、以下3名の偉人も子どもの頃は内向的だったのです!*4
- 革新的な起業家として知られる、イーロン・マスク氏
- 世界的ベストセラー「ハリー・ポッター」シリーズを生み出した作家、J.K.ローリング氏
- 術革新の先駆者であるアップル社の共同創設者、スティーブ・ジョブズ氏
秘める才能2:優れた集中力と豊かな創造性
ふたつめの際立つ才能は、優れた集中力と豊かな創造性です。