あなたの子どもの『考える芽』を育てる3つの方法。教室での10年で気づいた大切なこと
に寄り添うことで、考える力は着実に育っていきます。大切なのは、子どもなりの「なぜ?」を否定せず、むしろその気づきを認めてほめること。たとえ、大人から見ると筋違いな疑問でも、子どもの思考の芽を育てるチャンスだと考えてみましょう。その小さな「違和感」こそが、やがて創造性や探究心につながっていくのです。
【親ができること2】「正解」を求めすぎない
学校のテストには確かに正解があります。でも、生活のなかのさまざまな場面では、必ずしもひとつの正解があるわけではありません。むしろ、答えが複数あることのほうが多いのです。そんなときは、こんな言葉をかけてみましょう。
- 「そうかもしれないね」
- 「違う考え方もできそうだね」
- 「その方法でうまくいったね。ほかのやり方も試してみる?」
- 「正解じゃなくても、よく考えたね」
大切なのは、子どもが自分で考えるプロセス。必ずしも「正解」にたどり着かなくても、考える過程で気づきや学びがあれば、それは十分価値のあることです。子どもの柔軟な発想を認めることで、思考の幅は着実に広がっていくのです。
【親ができること3】「考える時間」を確保する
習い事や学習で忙しい毎日。「少しでも多くの経験を」と、つい予定を詰め込んでいませんか。じつは、ソファーでぼんやりしたり、ただ積み木を並べたりといった「何もしていないように見える時間」も、子どもの知性を育む大切な栄養になります。そんな時間を大切にするために、こんな声かけを意識してみましょう。
- 「今日は何して遊びたい?」
- 「急がなくていいよ。ゆっくり考えてみよう」
- 「自分の好きなようにつくってみたら?」
- 「つまらなそうにしているけど、何か考えごと?」
スケジュールに追われるのではなく、「ただボーッとする時間」「じっくり考える時間」「夢中になれる時間」を確保することが、子どもの思考力を育てる重要な土台となるのです。
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これからの時代に必要な「賢さ」とは?知識を詰め込み、テストで高得点をとることは、確かにひとつの力です。でも、これからの時代に本当に必要なのは、自分で考え、気づき、新しいものを生み出していく力ではないでしょうか。
その意味で、子どもの素直な疑問や、ときには大人の予想を超えた発想にこそ、未来につながる「賢さ」の芽が隠れているのかもしれません。
私たち大人にできることは、その芽を見つけ、そっと育んでいくこと。