になるよ。でもママは「ごめんなさいが言える子で良かった」って安心する。ねぇママ、悪いって思わなくても、ボクは謝っておけばいいの?
ママ:そうじゃないわ。「悪いことをした」って、相手の気持ちを考えられることが1番大切なのよ。
「中身のあるごめんなさい」が言えるようになるまで
K:「自分が悪いことした」と思えるようになるまでに時間ってかからない?ママとパパだって喧嘩をした直後は口を聞かないで、しばらくしてから普通に戻るじゃない。
ママ:そうねぇ、たしかに。ママにはママの考えがあって、パパにはパパの考えがあって、お互い自分が正しいと思ってするのが喧嘩だからね。相手の気持ちや価値観にまで気が回るようになるには、時間がかかるわ。
K:子どもはもっともっと時間がかかるんだよ。赤ちゃんのときの成長を思い出してほしい。赤ちゃんは生後3ヶ月頃で「自分」を認識し始める。人の気持ちがわかるようになるのは、ほぼ4歳くらい[※]。生まれてから、4年もかかるんだよ?
もちろん、すぐに全部はわからない。親や兄弟、お友達や先生との膨大なコミュニケーションが必要だ。誰かを傷つけたり、自分も傷つけられたり、許されたり、許したり…そういった経験を繰り返してはじめて「悪いことしちゃったな」って思えるんだ。
ママ:なるほど、それじゃあ5歳ではまだ経験が足りないわねぇ。
K:そうなんだ。それにさ、相手の気持ちを考える前に、まずは「自分の気持ち」だってわからないこともあるんだよ。何となくモヤモヤイライラするけど、それが怒りか、嫉妬か、悔しさか…自分の気持ちを把握することも、子どもにとってはカンタンじゃないよ。相手の気持ちまで考えられないよ。
ママ:ママは表面しか見てなかったね。Kが謝れる子だったらママは安心だし、謝れないと特に他のママの前だと体裁が悪くなっちゃって…。そんなことばっかり気にしててごめんなさい。
K:ママ、「ごめんなさい」が上手だね!いつかボクも、ママみたいに上手にその場で「ごめんなさい」が言えるようになるかなぁ。
※出典『0歳からの宝探し脳を活かす子育て術』著者茂木健一郎、須藤珠水PHP社
「コドモ博士の哲学トーク」バックナンバー
第1回:「朝の着替えを嫌がるのは何で?」
第2回:「何でそんなに歯磨きを嫌がるの?」
第3回:「怒られているときってこんな気持ち」