昭和風アナログレコードが子どもたちに大人気なワケは?
こんにちは。エッセイストで経済思想史家の鈴木かつよしです。
わが家の末っ子である中三の息子は普段はタブレット端末で音楽を聴いています。
ときおり大好きなアーティストのアルバムが聴きたくなるようですが、聞くと「CDを買うくらいならアナログレコードで欲しい。アナログレコード盤も発売してくれないかな」と言います。
調べてみるとCDの生産枚数が年々減少する中、アナログレコードはとくに10代後半の若者たち・子どもたちからの要望が強く2010年ごろから急速に生産枚数が増加しはじめ前年比実績は右肩上がりの傾向 をつづけているようです。
いかにも“昭和風”なアナログレコードがデジタルネイティブ世代の中高生の子どもたちに大人気の理由 は何なのでしょうか?
アナログレコードの生産枚数はどれくらい伸びているのか
一般社団法人日本レコード協会による統計は、国内CDの生産枚数が2004年度に約3億枚だったのが年々減少を続け2017年度には約1億5千万枚と、13年間で半減したことを示しています。
一方、アナログレコードの方はどうかというと勿論CDに比べればずっと少ないとはいえ、2009年度に約10万枚まで落ち込んだ後は増産に転じ、2015年度は約66万枚、2016年度が約79万枚、2017年度はついに100万枚を突破して約106万枚と、この5~6年だけで急速に生産枚数を伸ばしてきているのです。
アナログレコードを買う人の5人に1人は子ども?
さらに驚くことには、急速に人気を回復しているアナログレコードの購買層の多くが、アナログレコード全盛世代の中高年だけではなく子どもを含めた若年層に属している という調査結果があることです。
日本国内での調査ではないのですが音楽産業マーケティングサイトの「MusicWatch」によると米国ではアナログレコードの購入者は全体の70%を35歳以下が占めており、さらに詳しく見ると13歳から17歳までの子どもの購買客が21%に及んでいたとのこと。
アナログレコードを買う人の実に5人に1人は子ども だということです。
この傾向はおそらくわが国でも同様で、アナログレコードを扱っているCD・レコードショップの店員さんたちが口々に『アナログレコードを大人買いしてくれるのは中高年だが、実感としては中高大学生のアナログレコード目当ての来店客が多いことに驚く』と語っていることからも分かります。