子育て情報『もう助からない? ターミナルケアと勘違いされる「医療療養病床」の知識』

もう助からない? ターミナルケアと勘違いされる「医療療養病床」の知識

もう助からない? ターミナルケアと勘違いされる「医療療養病床」の知識

【女性からのご相談】
40代。2か月ほど前に骨折の手術で入院した80代前半の母が、その後内科的な変調を次々にきたし、心配な状態になってしまいました。

当初は2~3週間でリハビリ病院に転院するはずだったのが、「老人保健施設でリハビリしましょう」と言われ、低栄養や肝機能の悪化がみられてからは「介護保険対象の施設では対応できないので、医療保険対象の“医療療養病床”への転院に向けて努力しましょう」ということになりました。

この“医療療養病床”とは、どんなところなのでしょうか?いわゆる“終末期医療”を行うところなのですか?もしそうだとすると、母はもうそんなに長くないということなのでしょうか?

●A. 病院の病床5分類の中で“治療の場であると同時に生活の場でもある”病床です。

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。ご相談ありがとうございます。

わが国の医療法では、病院の病床は5つの種類(一般病床・療養病床・精神病床・感染症病床・結核病床)に大別されていますが、この中で「治療の場であると同時に生活の場でもある」 という表現がいちばんしっくりくるタイプの病床が、医療療養病床です。


介護保険ではなく医療保険適応対象であり、患者さんは医療必要度によって数段階の医療区分に分類されます。

急性期病院で治療後、ストレートに自宅復帰するのは困難な場合に治療やリハビリテーションを受け、家庭復帰を目指すレベルの患者さんもいます。

高度慢性期医療を必要とし、在宅や施設対応が困難な、医療ニーズが高く長期の入院を必要とするレベルの患者さんもいます。

また、ご相談にもあったように、『終末期医療(いわゆる“ターミナルケア”)』 の対象の患者さんもいます。

東京・多摩地域の民間総合病院で院長をされている医師の説明を参考にしながら、医療療養病床についてもう少しお話しいたしましょう。

●医療の専門家によるケアが必須の状態の患者さんが対象

『ご相談者様のお母様は低栄養の状態ということですね。と、なると、高カロリー栄養の24時間持続点滴を実施している状態かもしれません。そうであるとすれば、お母様は医療区分3の状態に該当するため、今のところ在宅での対応は困難と考えられます。
このような状態の患者さんに少しじっくりと治療を受け、静養していただく場所が“医療療養病床”だと考えてください』(50代男性/都内民間総合病院院長・医師)
次ページ : 上記の医師による説明は、“医療療養病床”というものをイメー… >>
この記事もおすすめ

新着子育てまとめ
もっと見る
記事配信社一覧 exciteお悩み相談室
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
ウーマンエキサイトアプリ 令和ママ プレゼント 漫画家・脚本家募集LPバナー 上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2025 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.