子育て情報『もう助からない? ターミナルケアと勘違いされる「医療療養病床」の知識』

2016年4月5日 18:00

もう助からない? ターミナルケアと勘違いされる「医療療養病床」の知識

上記の医師による説明は、“医療療養病床”というものをイメージするのにある程度役立つかと思います。

しかし、ご相談者様が本当に知りたいことは、「医療療養病床というと、老衰の進行などにより死に至ることを回避する方法がもはや存在しない高齢者が最期の日々を過ごす場所 なのではありませんか?」ということでしょう。

そのご質問に対しては、「医療療養病床にはたしかにそういった側面もあります」というふうにお答えさせていただきたいと思います。

しかし、それが全てでもないところがまた、医療療養病床の多面性の所以でもあります。引き続き考えてみることとします。

●慢性期の患者さんをサポートする病床で、ADLの維持向上と在宅復帰も目指す医療チーム

『私の古い友人に、大阪の方で医療療養病床を開設する病院の院長を務めている男がいます。彼によると、医療療養病床とは「継続的な医療並びに高度な看護ケアを必要とする慢性期の患者さんをサポートする病床であり、対象となるのは要医療度が高く自宅や施設での療養が困難な方と、ターミナルケアの患者さん」ということになります。

しかし、彼は「たとえターミナルケアの患者さんであってもADL(日常生活に最低限必要な基本的動作)の向上はあり得るため、自分が責任者の医療療養病床においてはターミナルケアを含む全患者さんに可能な限りにおいてADLの維持・向上、在宅復帰、施設への退院等 を目標としたリハビリテーションを提供している」と言います。
そのような目標を持った医師・看護師・栄養士などによる医療チームこそが“医療療養病床”であると、彼は言うのです』(50代男性/前出・医師)

●“医療療養病床=終末期医療(ターミナルケア)”ということでは決してない

ここまでの話をまとめると、「一般病床での治療ではこのまま在宅に復帰することは困難なため、将来的な在宅復帰を目指しながら も今しばらく“医療サービス”を引き続きじっくりと、精神的にもゆったりと、受けつづけるための病床」というのが、医療療養病床の説明として分かりやすいのではないでしょうか。

ただ、わが国においてはターミナルケアを行う施設として、
・医療保険適用施設……ホスピスと医療療養病床
・介護保険適用施設……介護療養病床と介護療養型老人保健施設と特別養護老人ホーム

となっているため、どうしてもご相談者様のように「療養病床に移れということは、“もう長くはない”ということなのか?」

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