家宝を売るのはNO! 債務者が“財産”を手放さずに借金を整理する方法
自己破産では、高価な財産が処分されますが、民事再生の場合は、その必要がありません。
その代わり、高額な財産があるような場合は、「その額までは少なくとも返済してね」という決まりがあるのです。
民事再生では、住宅ローンを払い続けたまま、住宅ローン以外の借金を減額し、家を維持することもできます 。
また、自己破産のように「手続きの間は警備員の仕事ができない」などの職業の制限もありません。
高価な財産・家をお持ちの方や、職業制限がかかってしまう方などには民事再生をお勧めします。
●他にも方法はあるの?
自己破産、民事再生以外にも、『任意整理』 という手続きがあります。任意整理は、自己破産や民事再生と異なり、「裁判所の手続きを踏まない任意の借金整理」となります。
任意整理をすると、原則として将来の利息がカットしてもらえるほか、これまで利息を払い過ぎていた場合、過払い金が戻ってくるケースもあります。
たかが利息といえども意外に大きく、「毎月の返済の大半が利息で元本が全然減らない」というケースも少なくないので、利息カットのメリットはとても大きいといえます。
●まとめ
借金問題で困った場合は、その方にとって最善の方法を見出すことが重要です。
各手続きのメリットデメリットを総合考慮し、借金をゼロにすべきか、減額すべきか、元本だけでも返済していくべきかを検討していくことになります。
任意整理はさほどメリットがないように誤解をしている方が多いようですが、多くの場合、「予想以上に借金や返済額が減額される」ことも多いので、まずは弁護士に相談してみることをお勧めします。
●ライター/篠田恵里香(アディーレ法律事務所:東京弁護士会所属)