甘えが原因!? うつ病だと主張する人の7割が適応障害であるワケ
本当のうつ病であると確定診断を下すうえでは、下記の手順を踏む必要があるとのことです。
(1)全身倦怠感をきたすような身体疾患である可能性を除外すること。そのための身体的な診察と血液検査等を行うこと。
(2)今までの経過から推測する。本当のうつ病の場合は一般的にうつの期間が一定期間続いたあと必ず元の状態に戻る という特徴がある。
(3)性格因、環境因を除外すること。会社に行く前だけ調子が悪く休暇中は元気に遊びに行けるなどという場合はうつ病ではなく適応障害の可能性が高い。
(4)本当のうつ病に特徴的な症状から推測する。
環境に左右されることなく、毎日のように症状を認めている 場合はうつ病の可能性が高い。
(5)治療効果から推測する。休職や配置転換といった環境調整を行っても症状が改善せず寝てばかりいる ような場合はうつ病の可能性が高い。
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いかがでしょうか。繰り返しますが、本当のうつ病はけっして「甘え」ではありません。
その点についてはほとんどの精神科医のコンセンサスができているといっていいでしょう。
ただし、性格因や環境因によるところが大きい適応障害の場合は、甘えの要素があることは否定しきれないということなのでしょう。
人間は生活して行くためにはしょせん環境に適応しなければならないわけですから、それができないということは確かに「甘え」と言われても仕方のない面はあるのだろうと思います。
最後になりますが、竹川医師によると、社会人の適応障害の原因となる性格は、『共依存 』『発達障害 』『境界型人格障害 』の3つのどれかでほぼ説明できるそうです。
おそらく経営者だったころの筆者は『共依存』だったのであろうと思いますが、共依存の対象であった人たちはもう誰一人として生存してはおりません。懐かしい思い出の中にいます。
【参考リンク】
・仁和医院ホームページ(http://www.geocities.jp/niwaiin/T1.htm)
・適応障害 | 厚生労働省(http://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_adjustment.html)
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)