怠けてるワケじゃない? 小中学生に多い“起立性調節障害”の原因と対策
こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。
みなさんは、『起立性調節障害』 という病気をご存じでしょうか。
わかりやすく言いますと、朝起きられない・頭痛がする・疲れやすい・午前中は体調が悪いのに夕方から元気になる、 といった症状を引き起こす病気です。
これらの症状だけをみると、「怠けているだけではないのか?」「気持ちがたるんでいるからでは?」と考えてしまう人もいるかもしれません。
しかし、これは自律神経の調節に障害が起きる病気なのです。そのことを多くの人に知っていただきたいと思い、書くことにしました。
●起立性調節障害とは
起立性調節障害は、最初に自律神経の調節がうまくいかなくなる病気と説明させていただきました。
具体的には、交感神経(体を活動させる・覚醒させる)と副交感神経(体を落ち着かせる)の分泌がズレてしまう状態です。
交感神経は朝に多く分泌するので活動がしやすくなります。副交感神経は夜に多く分泌するので、体を休め体の運動を抑制しやすくなります。
この2つの分泌が少しずつズレていき、昼夜逆転してしまうような状態 になります。それで下記のような症状が起こるようになるのです。
【症状と理由】
・朝起きられない(全身への血流が維持できないため)
・だるくて疲れやすい(血液による酸素や栄養供給が悪いため)
・立ちくらみやふらつき(血圧低下で全身への血行が維持されないため)
・夕方から元気になり夜眠れない(交感神経の活動性が下がってこないため)
・動悸や息切れ(血流が悪く、頻脈になるため)
・思考力低下や集中力低下(脳血流が悪くなるため)
10~16歳の子どもがかかりやすいと言われています。その中を見てみると、小学生約5% 、
中学生約10% とされています。
【原因】
・精神的なストレス(いじめや親の不仲、集団の中での立ち位置などの対人関係の問題など)
・環境の変化(引っ越しやクラス替えなど)
何らかの原因で長いあいだ心が緊張状態になる(ストレスにさらされる状態)と、自律神経のバランスが崩れて、さまざまな症状が心身共に現れます。
自律神経がうまく働かなくなることで、『起立性調節障害』という病気を引き起こしてしまうのです。●改善を図るために
小児科受診で検査をし、病気が発覚したあとに軽症・中等症・重症の診断が出てくることでしょう。