怠けてるワケじゃない? 小中学生に多い“起立性調節障害”の原因と対策
どの度合いでも、生活リズムの改善 が必須です。
生活リズムを整えることで一番最初に行うのが、早寝早起きです。最初のうちはすごく大変であることは明らかですが、リズムを正常に戻すためには必要です。
体調不良でも昼間は極力横にならないようにすることが効果的と言われています。これは血流を全身に送るようにするためです。
そして、1日3回の食事をしっかり取ることも大切です。栄養バランスのとれたものだと、循環を促したり体力がついたりして活動しやすくなります。
日中は、散歩程度の運動が有効です。
ゆっくり歩くことで血流を促すことにつながります。
ただし、立ちっぱなしは下半身に血液が溜まってしまいます ので、注意しましょう。
そして、ストレスの原因となっている事柄をカウンセリングなどで解消していくことも同時に行います。
●病気であることを理解してあげることが本人の支えになる
親からすれば、
「朝は起きないし、午後は学校も行かないでゲームばかりしている」
「とても病気に思えない」
「仮病なのではないか」
と思うかもしれません。
しかし、体が病気になっているのだということを親が理解することが本当に大切です。
親が理解を示すことで、治り方が変わり、症状の軽減につながります。
「親に理解してもらえた」という安心感 が何よりの薬になると、私は思っています。
中等症や重症になると、学校を遅刻したり欠席したりすることになります。
そうなれば、学校から親に出席させるように言われることもあるでしょう。
体がよくなるまでは登校できないことを学校側に知ってもらうことが、親の大切な役目になります。
『起立性調節障害』の診断を受けたら、担当医に診断書をお願いし、学校側に提出しましょう。親だけでなく学校側も理解が必要です。
●おわりに
不登校の子どもたちの中にも『起立性調節障害』を起こしているのではないかと思われる人たちがいます。この病気は、頻度の高い疾患だからです。
少しでも思い当たる症状があるならば、小児科を受診することをお勧めします。学校に行けないのは、体が病気になっているせいかもしれないからです。
本人だって、「オレ(私)はなまけ者なのかも……」と思っているでしょう。それを親が「ただの仮病」「怠けているだけ」なんて言ってしまったら、症状は悪化します。
「怠けている」なんて理由で片付けないであげてほしいと思います。