子育て情報『加害者は気づかない? 親子で考えたい「イジる」と「イジメる」の境界線』

加害者は気づかない? 親子で考えたい「イジる」と「イジメる」の境界線

加害者は気づかない? 親子で考えたい「イジる」と「イジメる」の境界線

こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。

“イジる”と“イジメる”は違うのか?といった趣旨の議論が、中学生・高校生や彼らが通う学校の関係者の間でしばしばわき起こるようです。

結論から言うと、やられている本人が「嫌だ」と感じているのであれば全て“イジメ”ということになるわけですが、驚いたことに「イジるのは“愛情表現”でイジられた子は自分の存在感を認識できるのだ」などとおっしゃる方が学校関係者の中にも居たりするようです。

●中学時代に親愛の情の表現のつもりでイジっていた友は大学時代に自分から去って行った

筆者には一人、忘れることができない少年時代の友人がいます。

S君という中学校入学以来の友人で、中学校の3年間と高校の3年間、ずっと近くにいて部活動なども一緒にやった文字通りの“親友”です。

おとなしい性格だったS君に対して筆者はあたかも漫才コンビのボケと突っ込みが如く、時にキツめのノリで接したり話したりすることがありました。

もちろん周囲の雰囲気を和ませようと思ってやったことがほとんどではありますし、筆者にイジられているときのS君は仲間意識を感じているように見えて、変な話とても楽しそうにも見えたものでした 。
でも本当はそうではなかったのです。

めでたく同じ大学の学生になったS君はある日、「きみとは決別することにした。もう会うこともないだろうと思う」と言い残して去って行ったのです。

●“イジり”はある意味で最悪の“イジメ”。イジられてツラさを感じたらまず相談を

筆者にイジられていたときのS君は、いつもツラかったのです。そんなことに気づかなかった少年時代の自分は何と愚かだったのでしょう。

実はS君はその後(お互いに28歳になっていた年に)筆者の結婚式にお祝いに駆けつけて来てくれ、筆者は随分と救われました。

友だちをけっしてイジってはいけないという当たり前のことを学ぶまでこんなに時間がかかってしまった自分は本当に愚か者だったのです。


精神科医の斎藤環さんは以前ご自身のSNSのページの中で、『若い世代はお笑い芸人が同業の芸人をイジる様子を“コミュ力”のロールモデルのように考えているフシがあるが、これはとんでもないこと。イジりはイジメるとイコール で、お笑い芸人発の間違ったコミュ力の最悪の副産物だ』という趣旨のことを述べられています。

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