【BOOK】「精神科ってちょっとこわいかも?」と感じる人に読んでほしい、精神科が身近に感じられる本
精神科は行きにくい場所?
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自分や家族が精神的なつらさを感じている、悩みや困りごとをずっと抱えているという方に精神科の受診をすすめると、「病院に行くほどではないから」と断られることがしばしばあります。精神科はもっと深刻な悩みや症状を抱えた人が行く場所ととらえている方や、子供が行く場所ではないのでは…と考えている方も多いのかもしれません。
しかし、もしも何らかの病気や障害だった場合、早めに治療を始めれば症状が軽くなったり、対処法を知ることで生きやすくなったりします。自分や家族だけで悩んでいるだけだと、対応策が見つけられないことも多いものです。専門家の診察があってはじめて、状況を理解して良い方向へ進むことができるようになった人もたくさんいます。
そこで今回は、どんな病気の人が精神科にかかっているのか、診察はどのように行うのかなどが理解できる本をご紹介します。
これらの本を通して、精神科がどんなところかイメージできるようになると、受診しやすくなるかもしれません。
「精神科ではどんな病気をみるの?」が分かる本
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1冊目にご紹介するのは、精神科医である斎藤環先生・山登敬之先生の共著である『世界一やさしい精神科の本』。
「14歳の世渡り術」シリーズとして出版された単行本の文庫版になります。
この本は、発達障害やひきこもり、摂食障害、うつ病、統合失調症といった精神科で診療を行うメジャーな病気や障害、症状について解説されたものです。もともと14歳の子どもたちを対象に書かれた本なので、難しい言葉が使われておらず、とても分かりやすい内容になっています。
「発達障害って、そもそもどんな特性があるの?」「ADHDやアスペルガー症候群などと言われるけれど、どう違うの?」といった疑問の解決にも役立つ1冊となりそうです。
「精神科医は何を考えながら診察をしているのか」が分かる本
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精神科が対象としている病気や障害について理解ができたら、次に読んでみたいのが『精神科医はどのように話を聴くのか』という本です。精神科医である藤本修先生の著書で、「精神科医はどのようなことを考えながら診察をしているのか」について書かれています。
精神科医というと、ただ話を聴いて薬を処方する、というイメージを持っている方もいるかもしれません。しかし、その行為の裏にはさまざまな思慮が隠されています。
同じ病気であっても、詳しく話を聴かないほうがいい場合もあれば、適切な治療をするためにしっかりと聞いたほうがいい場合もあります。また、病気によっては話を聴き過ぎると逆効果になってしまうこともあり、精神科医は場面ごとに見極めながら対応をしているのです。
診察中の医師の考えがわかると、受診したときに何を話せばいいのか、医師がなぜそのような対応をするのかなどが理解しやすくなると思います。そうすると、精神科を受診することへのハードルが低くなるかもしれません。
巻末には、藤本先生が提案する「聴き上手になるための10箇条」も掲載されています。子供が悩んでいるときにどう接したら良いのかなど、家族と会話をする上での参考書にもなる1冊です。
「精神科って行きにくい…」と感じる人に読んで欲しい本
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最後にご紹介するのは、『ラブという薬』。タレントや作家として活躍するいとうせいこうさんと、精神科医でありながらミュージシャンとしても活動している星野概念さんの対談を本にまとめたものです。
帯に書かれている、「つらいことを無理に我慢するのではなく、つらいときはもっと気軽に精神科に行こうよ」というメッセージ。精神科ってすごく困っている状況じゃないと受診してはいけないのでは…と思われがちですが、そんなことはありません。実際にいとうさんは、仕事ができなくなるほど深刻な状態ではなかったけれど、診察を受けるようになって楽になったと本書の中で話しています。
風邪をひいたら内科へ行くように、怪我をしたら外科へ行くように、心がつらいときは精神科を頼っていい。そのことが腑に落ちると、我慢しすぎていた「きつい現実」が、誰かを頼ってもいいんだという「少しゆるい現実」に変わっていきます。
読み物としても非常に面白いので、精神科の本と難しく捉えずに、ぜひ気軽に読んでいただきたい1冊です。
まとめ
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「なんだかつらいけれど、これくらいのことで受診していいの?」「病院に行っても、大したことないって言われたらどうしよう…」そんなふうに悩んでいる方もおられるかもしれません。
ですが、悩んでいるうちに問題がより深刻になってしまうことも少なくありません。
精神科は、こわいところではありません。もし、受診しようかどうか悩んでいるのであれば、今回ご紹介したような本を少し読んでみてください。精神科を受診するためのハードルが、少し低く感じられるのではないかと思います。