成長へのステップ! 思春期の子どもの心理と上手な接し方
子育て研究所代表の佐藤理香です。
先日、お子様が思春期を迎えたママが「もう小さな子どもでもないし、大人でもないし、接し方が難しい!」と言って嘆いていました。
子どもが思春期に入ると、これまで以上に衝突したり、 葛藤したりする機会が増えると思います。口をきかない、全く話をしなくなったというケースも聞きます。
これは思春期特有の心理状態が影響しているためで、成長のための重要なプロセス です。子どもの心の状態を理解できれば、反抗的な態度や不安定さにも慌てることなく対応できます。
今回は、思春期の子どもの心理と接し方をお伝えしていきます。
●思春期を迎える子どもの心
思春期のとらえ方は男女差があるようですが、おおよそ10~18歳ごろといわれています。
この時期の子どもには、次のような変化がみられるようになります。
●依存と自立に揺れる
思春期の子どもは、依存(甘えの行動)と、自立(反抗的な行動など)の行ったり来たりが激しくなります。
親に干渉されて「うるさい」と怒鳴ることもあれば、「聞いてよ~」と甘えてくることもあるなど、子ども自身が葛藤する時期 なのです。
精神科医の明橋大二氏によれば、“甘えない子が自立する”のではなく、“甘えた子が自立する”のだといいます。
親に依存しながら甘えてくる言動も、反抗的な行動も、子どもの自立につながるステップなのですね。
●自我意識の強まり
この時期の子どもは、大人への準備をし始めるので体に大きな変化が見られるようになります。体毛や胸のふくらみ、初潮など外見的な変化とともに、異性への関心も強くなります。
また、交友関係が複雑化し、友達の言動から大きな影響を受け始めます。
自分と他人の違い、自分は周囲からどう見られているかなど、他人との比較や競争で劣等感や敗北感を感じることもあり、心理的にはストレスが多く不安定な状態になりやすい時期 といえます。
●子どもとの接し方
思春期の心の変化をお伝えしましたが、一緒に生活する親御様はやはり心配になるものだと思います。続いては、子どもとの接し方と、その前提となる考え方についてお話しします。
●親にはどう接してほしいか? 子ども目線で再考する
ご自身が中学生や高校生だったころを思い出してください。学校生活や部活動、友達に遊びと、思い出すことは家庭以外のことが多いのではないでしょうか。