在宅でデキる!? 認知症の進行を遅らせる“音楽回想療法”の効果と注意点
日野原先生が指摘するように、音楽の強い情緒性 が父にイキイキと生きていた時代の記憶を呼び覚ましたのかもしれません。
●在宅で回想療法を実施する場合の注意点は?
最後に、前出のA先生に在宅で回想療法を実施する場合の注意点をうかがっておきましょう。
『音楽回想療法に代表される各種の回想法は在宅で誰でも実施することができますが、次の点には注意してください。
(1)重度の認知症患者の方には向かない場合もあるので、その場合は無理に続けないこと
(2)回想が患者にとってつらい記憶を呼び起こしているように見えたらすぐに中止すること
(3)回想療法を患者の実生活にどのように活かすかということを常に考えて実施すること』
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いかがでしたでしょうか。
認知症患者のご家族をお持ちの方には、A先生の言う注意点をよく心にとめたうえで回想法とくに音楽回想療法をぜひ実施してみていただきたいと思います。
【参考文献】
・『標準 音楽療法入門(上)理論編』日野原重明・監修
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)