派遣社員の女性に多い!? “パワハラ一体型のセクハラ”の実態と対処法
この場合法的に“闘う”のとはちょっと違って、被害者の心身の健康を“守る” という感じの対処の仕方になります。
パワハラ一体型セクハラの被害者にはストレスからくる集中力の低下、不安感、恐怖感、抑うつ感、イライラ感、わけもなく涙が出る、喉の異物感、頭痛、胃痛などの心療内科的な症状が伴うため、医師の立場で患者を守るというスタンスの対処法です』(50代女性/前出・心療内科医師)
T先生はこう言い、具体的には次のような段取りの対処法をおしえてくださいました。
パワハラ一体型セクハラの被害に遭ってしまったときには、
(1)事態をできるだけ落ち着いて省み、自分には非はなく悪いのはセクハラをする上司の方である ことをまず自覚する
(2)その上で、セクハラ上司の上司にあたる立場の人の中で、できるだけ信頼がおけ自分の話をきちんと聴いてくれそうな人は誰かを選定する
(3)(2)ができたらわれわれ医師の方で事態の改善に有効と考えられる診断書を書きますので、(2)で選定した“セクハラ上司の上司”に診断書を携えて 相談してください
パワハラ一体型のセクハラをする加害者は自分の立場が揺らぐことが何よりもこわいため、このような対処法が有効であるというのがT先生の見解です。
その点が“単に性衝動に基づいたセクハラ”と質的に区別されるということでした。
なお先生によれば心療内科や精神科のほか、レディースクリニックやウイメンズクリニックのような看板を掲げている医療機関であればほとんどのところでセクハラの相談にのってくれるとのこと。
法務関連の専門機関と連携しているクリニックもある とのことです。
自分の立場の優位性や自分が手にしている権力をいいことにパワハラ一体型のセクハラをしてくるような上司に、泣き寝入りをつづけることはありません。
●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
●モデル/倉本麻貴(和くん)