就学前にマスター! 子どもを算数好きにする『10の補数ゲーム』とは
今も昔も、“算数”に苦しんでいる子どもは多いようです。
小学生の苦手科目ランキングでは、常に首位をキープしている算数。自分は嫌いだったけれど、わが子には算数好きになってほしい……と願っているママやパパもいることでしょう。
子どもを算数好きにするためには、小学校入学の早い段階でつまづかせないことが重要です。
特に多くの1年生たちにとって、最初の壁となるのが“繰り上がり・繰り下がり”の計算です。ここでついていけなくなってしまうと、あっというまに授業が苦痛になってしまいます。
でも、大丈夫。就学前にあるポイントさえおさえておけば、この壁もストレスなくクリアすることができるのです。
今回は宇治美知子さんの『算数が好きになる教え方』、親野智可等さんの『親が子どもに教える「算数力」』の両著を参考に、子どもが算数好きになるとっておきの遊び“10の補数ゲーム”をご紹介しましょう!
●繰り上がり計算に必須、“10の補数”についての知識
“補数”とは、「ある数に加えると、あらかじめ定めた一定数になるような数」のこと。
今回のテーマである“10の補数”を例に取れば、“7”に対して“3”、“9”に対しては“1”となります。では、“2”に対しては何でしょうか?そう、“8”が正解ですね。
この“10の補数”が瞬時に頭に思い浮かぶか否か。それが、繰り上がり・繰り下がりの計算のスピードを決定づける重大な要素 となるのです。
●繰り上がりの計算には“10のまとまり”をつくることが必要不可欠
ここからは、具体的な例を出して説明していきましょう。
「8+6」という繰り上がりの足し算があったとします。小学1年生はこれを解くとき、どのように考えを進めていくのか、ご存じですか?
まず、この問題を見たときに彼は、「答えが10以上になる」ということに気づきます。
次に、そういった場合は「まず10のまとまりを作るのだ 」ということ、「そのために小さいほうの数を分解するのだ」ということを思い出します。
8と6を見比べると、小さいのは“6”。10のまとまりを作るために彼は、“8”のことを思い浮かべながら6を“2”と“4”に分解します。
次に、8と2を足して10にし、そこに残った4を足して14、と答えを出します。これが、1年生がたどる一連の過程です。
繰り下がりの引き算でも同様に、10の補数を使って計算します。