病院で急増してる!? モンスターペイシェントの実態と遭遇エピソード
看護師が一生懸命に待ってもらうように説得し、その場は収まりました。
しかし、順番が回ってくると、医師に「明日仕事があって休めないから、絶対に学校へ行けるようにすぐ治る薬を出してほしい 」と大きな声で何度も頼んでいる声が聞こえてきました。
●どこからがモンスターペイシェントになるのか
子どもの病気の心配、家族の病状を心配といった家族を思ってやっている行動が、モラルに反した行動になってしまっていることがあることは確かです。
苦しんでいたら心配になりますし、「早く診て欲しい」「検査して欲しい」と思うでしょう。
ただ、モンスターペイシェントになってしまってはいけません。
医師も看護師も一生懸命に患者を診て、優先的な措置が必要な人・緊急性の高い人がいた場合は、命の危険が少ない人よりも先になることになります。
人の命を救うことが仕事なのですから当然のことです。そこを忘れないで欲しいです。
●モンスターペイシェントになり得る言動
・気に入らないことがあると大声で怒鳴る
・自分と家族が最優先 であると主張する
・完全に治る薬を希望する
・治療や薬に文句をつける
・すぐに良くならないと文句をつけるなど
病気になった本人もその家族も、早く治って欲しい気持ちなのは当然です。
しかし、それを自己中心的だったり理不尽な要求を押し通そうとしたりすれば、モンスターペイシェントになってしまいます。
●おわりに
今回ご紹介したような話は、信じられない内容だと感じるかもしれません。しかし、自分や大切な家族が病気になったら、どうしても早く良くなってほしいと思いますよね。
それが行きすぎた行動を取らせてしまうことにもなるのです。
子育て中の親は、子どもが苦しんでいる姿を見ることがつらいです。それに仕事を抱えている場合は、エピソードで紹介したような言葉を思い浮かべることもあるでしょう。
実際にそんな都合のいい薬があるわけはないことを知っていてもです。
医療従事者だって、治してあげたい気持ちは同じです。協力・連携して医療現場がスムーズに行くことを大切にするようにしましょう。モンスターペイシェントになってしまっても、いいことは1つもありません。むしろ悪くなることばかりですからね。
自分がモンスターペイシェントになっていないか、今一度確認してみましょう。
【参考文献】
・『モンスターペイシェントー崩壊する医療現場』南俊秀・著
●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)
●モデル/ゆみ