2020年5月22日 16:33
勉強を本気で頑張れない子がスポーツを頑張れるわけがない。両立が生む相乗効果とは
サッカークラブや各種スポーツ団体を対象に「スポーツマンのこころ」と銘打つ講義で、一流アスリートになるための心得を伝え続ける岐阜協立大学経営学部教授の高橋正紀先生。ドイツ・ケルン体育大学留学時代から十数年かけ、独自のメソッドを構築してきました。
聴講者はすでに6万人超。その多くが、成長するために必要なメンタルの本質を理解したと実感しています。
高橋先生はまた、「スポーツマンのこころ」の効果を数値化し証明したスポーツ精神医学の論文で医学博士号を取得しています。いわば、医学の世界で証明された、世界と戦える「こころの育成法」なのです。
日本では今、「サッカーを楽しませてと言われるが、それだけで強くなるのか」と不安を覚えたり、「サッカーは教えられるが、精神的な部分を育てるのが難しい」と悩む指導者は少なくありません。
根性論が通用しなくなった時代、子どもたちの「こころの成長ベクトル」をどこへ、どのように伸ばすか。
「こころを育てる」たくさんのヒントがここにあります。
(監修/高橋正紀構成・文/「スポーツマンのこころ推進委員会」)
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(写真は少年サッカーのイメージです)
■勉強を本気で頑張れないやつがスポーツを頑張れるわけがない
「小学生のころに"スポーツマンのこころ"に出会っていたら、もっと自分を磨けたのに」
"スポーツマンのこころ"の講義を聞いて、そう後悔する学生は少なくありません。今回は学生たちの生の声を紹介します。
岐阜県内にある私が勤務する大学では、本格的なオンライン授業が始まっています。運動部活に取り組む学生が7割近くを占めているスポーツ経営学科の必修科目であるスポーツ原論という授業で、入学直後の1年生に「スポーツマンのこころ」を伝えています。オンライン授業は初めての経験ですが、こうやって画面越しでも内容はかなりしっかりと伝わるのだと実感しました。
例えば、スポーツは本質本質的には遊びの一種であり「非日常」の時空間で行われるゲームであること、学生にとっての「日常」であるをおろそかにしてしまうと非日常のスポーツでの成長が鈍ること、自分を大切にするということは、大切であるからこそ自分を磨くということ、そしてその"自分を磨く"は自己決定することによってより意味が出てくること、などを理解してもらいます。「文武不岐」の話もします。
この連載でもお話ししましたが、文武不岐とは学問とスポーツは別物ではなく、学問を極め何が正しいかを知ることは、スポーツで厳しい練習を積むなかで人間性を向上させることにも通じる。