真面目過ぎてサッカーが苦行になっている息子にどう寄り添えばいいか問題
不真面目では困るけれど、わずか11歳か12歳でここまでもがき苦しんでいる姿を見るのはお辛いですね。
■「好きでたまらない」がエネルギーの源泉になる
さて、お母さんは米メジャーリーグの大谷翔平選手をご存知でしょうか。ロサンゼルス・エンゼルスの先発投手として4月26日(日本時間27日)に二刀流出場し、投げては5回9奪三振4失点の投球内容で3年ぶりの白星を挙げ、打っては2安打2打点と大活躍しました。
彼をよく知る人と最近お会いしたのですが、こう話されていました。
「大谷君が二刀流をやるのは、そのことがすごいことだから挑戦している、というわけではない。投げるのも、打つのもどちらも大好きなんですよ」
大谷選手は肘や膝の手術をしていますが、シーズン途中で手術することを即決したと聞きました。私と話した方によると「無理してプレーしても楽しくないからでしょうね。無理してでも結果を残すなどといった考え方は彼の中にないんだと思いますよ」とおっしゃっていました。
ちょっとした雑談のなかの話ですが、私は非常に印象に残りました。
アメリカ人を熱狂させている、二刀流スーパースターの原動力は「大好き」という気持ちなのです。
大谷選手のように、自分がやっているスポーツが好きでたまらないという気持ちが自分のエネルギーの源泉だと語るアスリートは実は多いです。特に一流のプロフェッショナルに多いと感じています。
■サッカーに打ち込む目標を「全試合出場」ではなく、「楽しくやる」に変えよう
大谷選手のような超一流でもそうなのですから、息子さんにもぜひ「サッカーが大好き」「サッカーが楽しい」という気持ちを持ってほしい。小学生時代の楽しかった思い出や、面白くていつまでもボールを蹴っていた時間が、中学、高校と進むなかで息子さんを支える力になる。それは、息子さんが「なぜこんなに一生懸命にサッカーをやるか」の大きなモチベーション。つまり、内発的動機付けになります。
そう考えると、息子さんがサッカーをする一番の目標を「楽しくやる」にしなくてはいけません。ところが息子さんは違うようです。例えば「すべての試合に先発で出場する」「トレセンへの推薦を受ける」が彼の目標だったようです。そして、そこが叶わないため、大きな焦燥感を抱えてサッカーをしています。
こういった状況では、コーチが指摘するような「積極性のある自由なプレー」