ヘディングは禁止すべき?適切な練習は? 日本サッカー協会が発表した年代別ヘディング習得のためのガイドライン【幼児~4年生編】
(中山 JFA技術委員会普及部会長)
ヘディングをするためには、落下地点に素早く入るための「空間認知力」が必要です。風船や軽いボールを使って、体への負担がない形で取り組むのは、とても良いアイデアです。
「幼児や小学生年代では、ヘディングに必要なコーディネーションを高めることが大切だと考えられています。中学生、高校生と、ある程度年齢が上がったときに、空中のボールを正確にとらえられるように、(動きや空間認知力を)積み重ねていってほしい。それはガイドラインの中で、指導者のみなさんに向けて発信したいことのひとつです」(中山 JFA技術委員会普及部会長)
●小学3、4年生の練習メニュー例
・100 円均一ショップ等で購入できるボールを使ってキャッチボール、フライボールをキャッチ
・軽量ボール(バレーボール等)+ボールネットヘディング練習
・自分でゆらして額に当てる (10 回程度)
・高さ変えてジャンプヘディング (10 回程度)
・軽量ボールを額部分でキャッチ
・バウンドさせて額に当てる
・バウンドさせてヘディングしてみる
引用:JFA育成年代でのヘディング習得のためのガイドライン(幼児期~U-15)
JFAの指針:キャッチボールなどの空間のボールを主に手でプレーする運動経験を十分に行うことが大切。また、軽量ボールなどを使用して正しいヘディング技術の習得の導入をおこなう。「ボールをインパクトの瞬間まで見ること」「額でボールをインパクトする」といった基本的な技術を理解させる。ただし、4 号球でのヘディングの反復はおこなわない。
また、相手と競り合うためのコーディネーションを高める必要がある。2 人で同時にジャンプしたり、 空中のボールを手で取り合うといった運動を取り入れていく。5 人制などのスモールサイドゲームを中心にすることを推奨する。
小学3、4年生になると、ヘディング技術の習得にアプローチしていきます。4号球などの重いボールではなく、軽量ボールを使い、「頭のどこに当てるのか」「体をどのように使うのか」などを学んでいきます。
■子どもたちの発育発達状態に合わせて取り組む
「ガイドラインを作る上で、学年で区切りましたが、子どもたちの発育発達に合わせて、適切なボールを使ったり、課題を与えるなどして、順を追って取り組んでいただけたらと思います」(中山 JFA技術委員会普及部会長)