「できる気がする」の気持ちが大事! サッカーの「目標」で頑張る気持ちをキープする方法
と柘植さんは話します。
具体的には「なんでできないの」などといった問いかけ方や態度が"コーナー追い詰め型"だとしたら、「できなかったね。ではどうやったらできると思う?」と、一緒に考えるのが"一緒にコーナーに回る型"。
向かい合わせで話すのではなく、並んで同じ方向を見て話すというイメージです。ご自宅でもテーブルに向かい合わせではなく、並んで座って子どもが見ている景色を背後から一緒に見るような、そんな空気観がかもしだせるとベストだそうです。
前述した進捗管理では、目標や日々のタスクがどんどん変わるケースも考えられますが、親御さんが「有言実行」や「初志貫徹」にこだわりすぎると「あの時、ああ言ってたのにもう変えたの?」などといった「コーナー追い詰め型」の言葉がけをしたくなってしまうかもしれません。
そんな時こそ「一緒にコーナーに回る型」を意識してみてください。そして、きっと本人も何か感じていることがあるだろうし、もっと素敵な未来を創っていきたいと思っているはず、この時点からまた未来に向けてベストの取り組みは何かについて一緒に考えてみよう、そのように捉えてみることで今までと違う何かが動き出すかもしれません。
■「自己効力感」が育まれ、もっとサッカーが好きになる
ここまで、目標設定とそれを実現するためのノウハウをご紹介してきました。そうやって自分が決めた目標に向かって日々努力できるようになることは、サッカーの上達のみならず、勉強や社会に出てからも役に立つスキルです。
そして「自己効力感」も育まれます。自己効力感とは、ある目標に対して「やってみたい」「自分ならできる気がする」と思える力のこと。前編では、日々の取り組みをスケジュールに書き込む際に「『量』と『質』をうまく組み合わせると良い」と解説しましたが、それはこの自己効力感が生まれるか否かに関わるからでもあります。
日々の取り組みの中で、こんなことができた、あんなこともできた、と思えることが自己効力感の向上にもつながるのですが、『量』と『質』のどちらか一方でもできたと思えるようにしておきたいのです。小さな成功体験をつみ重ねて成長を実感でき、自己効力感が高まっていきます。
そんな毎日を経て「次は練習でこんなことをやってみたい。
たぶんできる!」「明日の練習が楽しみだ」という気持ちも増し、どんどん前のめりになっていくことでしょう。