たった2年でJリーグ昇格! 大躍進を遂げた奈良クラブが導入した選手を伸ばす「エコノメソッド」とは!? フリアン監督インタビュー
2022年シーズン、残り2節を残し、J3昇格を決めた奈良クラブ。2020年に浜田満氏が社長に就任すると、2021年には、スペイン・バルセロナで誕生した『エコノメソッド』よりフリアン監督を招聘。就任2年目にして、チームを3位以内(11月8日時点)に導き、悲願のJ3昇格を達成しました。
そこで今回は、チームを率いて2年目ながら大きな成果を残したフリアン監督に、奈良クラブ躍進の秘密と、クラブに導入したエコノメソッドについて伺いました。子どもたちに向けたアドバイスもいただいたので、ぜひ参考にしてみてください。
(取材・文鈴木智之)
Jリーグ昇格を果たした奈良クラブの選手たち(写真提供:奈良クラブ)
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■「エコノメソッド」で目指すスタイルやアイデンティティが明確になった
フリアン監督は就任から現在を振り返り、「クラブがエコノメソッドを導入すると決断したことで、目指すべきサッカースタイルやアイデンティティが明確になりました」と話します。
エコノメソッドは海外のサッカー協会やクラブチームなどが取り入れており、日本のJクラブでは、アルビレックス新潟が導入していたことでも知られています。10年ほど前、エコノメソッドを日本に持ち込んだのが、奈良クラブ社長の浜田満氏でした。
以降、育成年代やプロ選手のコンサルティング、サッカースクールやキャンプ、指導者講習会などを通じて、エコノメソッドの考えは広く知られるようになりました。いまでこそ当たり前のように聞く、「認知・判断・実行」というフレーズを使い始めたのもエコノメソッドです。
■ペナルティエリアでのプレー向上に取り組んだ
フリアン監督はヨーロッパやアジアで指導を経験し、エコノメソッドスクールや指導者講習会、プレーコンサルティングなどを通じて、日本サッカーとも近くで接してきました。
日本サッカーをよく知るフリアン監督は「日本の人々が志向するサッカーは、自分の考えに近いと感じた」と言います。
「一番は、チームで連携してボールをつなぐことです。日本の人々が志向するスタイルは私も好きで、ポジティブに捉えています。奈良クラブの監督に就任したとき、それを踏まえた上で、どれだけ多くのゴールチャンスを作ることができるかを考えました」
監督就任前、奈良クラブの試合を分析する中で、向上の余地があると感じたのが、ペナルティエリアでのプレーだったそうです。