たった2年でJリーグ昇格! 大躍進を遂げた奈良クラブが導入した選手を伸ばす「エコノメソッド」とは!? フリアン監督インタビュー
「自陣エリアの守備で言えば、まずはサイドからクロスボールを入れさせない役割が重要で、相手に考える時間を与えないように、アグレッシブに守備をすることも必要です。ペナルティエリアでは、誰が誰をマークするのか。それに加えて、誰がセカンドボールに対応するのか、どの場面でクリアするのかにも取り組んできました」
攻撃では「相手よりも、多くの選手がペナルティエリアに進入すること」をテーマに、「できる限りチャンスを逃がさず、シュートを打つこと」を重視していたそうです。
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■アイデアを信じて我慢強くやり続けることで結果が手に入る
喜びを表現するフリアン監督(写真提供:奈良クラブ)
フリアン監督の指導を支えてきた通訳の岡崎史郎さんによると「1年目はエコノメソッドを知っている選手がいなかったので、苦労している様子が見えましたが、シーズン半ばを過ぎたあたりから、チーム内で共通のアイデアができ始め、勝ち点を取れるようになりました」と振り返ります。
就任1年目はコロナ禍で来日が遅れ、指揮を執ることができたのが6月からでした。今年で2シーズン目になりますが、「1年目はチームのベースづくり、アイデンティティの浸透に力を入れてきた」と言います。
「変革の最中にあるとき、1年目は苦労するものです。しかし2年目になると、昨シーズン作り上げたベースをもとにチームを構築し、戦うことができました。
それが結果に表れているのではないでしょうか」
フリアン監督は「何かを成し遂げようとするときは、アイディアを持った上で、絶対に遂行できるんだと信じることが大事」と力を込めて話します。
「奈良クラブは浜田社長がアイディアを持ち、それを遂行するため、我々にピッチの中のことを託してくれました。クラブの社長や強化の責任者、スポーツダイレクターと呼ばれる人は、新しい価値観をクラブにもたらすとき、最初はうまくいかなかったり、難しい状況に追い込まれることもあると思います。そこで『これはダメだ』とすぐに変えるのではなく、我慢して信じ続けることが大切なのです」
フリアン監督は、スペインの名将を例に挙げて説明します。
「グアルディオラ監督が、FCバルセロナの監督に就任したときもそうでした。クラブは難しい状況でしたが、社長をはじめとする幹部が、彼を信じて任せました。それによって、歴史に残る素晴らしい時代を築くことができました。