子育て情報『「伸ばしたいなら離れなさい」わかっているけど現場指導が難しい。いい距離で離れる「さじ加減」を教えて』

2022年11月11日 20:00

「伸ばしたいなら離れなさい」わかっているけど現場指導が難しい。いい距離で離れる「さじ加減」を教えて

と、保護者に声をかけます。その際、上述したようなコーチの問いかけや、子どもたちとのやり取りがあるかと思います。どれも子どもに自分で考えさせる仕掛けが隠されているはずです。そこを聞いてもらえばいいのです。

さらにいえば、冒頭でふれたように、親たちは少なからず「どうして何も言わないのか?」と感じています。それらは焦りや憤りに近いものです。親たちはわが子に上手くなって欲しいし、チームに強くなって欲しいと願ってこそなので、そこを察して説明することが重要です。

■保護者の気持ちにも寄り添いながら、理解を深めていこう

「伸ばしたいなら離れなさい」わかっているけど現場指導が難しい。いい距離で離れる「さじ加減」を教えて

(写真は少年サッカーのイメージです。
ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)

私のチームでは試合後、子どもたち全員に「今日の試合はどう思いましたか?」と尋ねます。見に来た親に向かってしゃべってもらいます。すると、子どもたちはどんどん発言します。例えば4試合とも負けたとしても「ワンツーが結構使えた」とか「ボールがとれるようになった」と前向きな話が多いです。

そこで私は「いやに前向きですね。全部負けてるのにねえ?外から見てるとちょっと違いますよね」などと笑いながら親に向かって言います。親御さんの気持ちをほぐすためです。

個人差はあるかもしれませんが、保護者は負けたことにショックを受けています。
悔しいし、悲しい。情けない気持ちももしかしたらあるかもしれません。その気持ちを、指導者は知っておかなくてはいけません。保護者の気持ちに寄り添うのです。

よって、子どもたちには「確かにできたことも多かったね。だったら、もっと使えばいいよね。そうすれば試合の中身も違ってくるよね」と次の課題があることを示します。

ただし「自らやろうとすることが大事なんですよね」と保護者に伝えてください。
そうやって理解を深めながら、親子で成長できるチームを目指してください。
池上正さんの指導を動画で見る>>

「伸ばしたいなら離れなさい」わかっているけど現場指導が難しい。いい距離で離れる「さじ加減」を教えて


池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。

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