2022年11月11日 20:00
「伸ばしたいなら離れなさい」わかっているけど現場指導が難しい。いい距離で離れる「さじ加減」を教えて
■「黙っているだけで何もしない」コーチだと思われないよう、最初に保護者に伝えることが大事
最初に親への対応を説明します。
例えば子どもに自分で考える機会を持たせるため、コーチが余計なことはなるべく言わないようにしようと試みるとします。
そうすると、保護者の反応は「コーチは、子どもに何もしてくれない」になりがちです。外から見ていると、コーチ側は子どもの表情や、次にどうするかを見守っているのに、それを「黙っているだけで何もしない」と誤解されるのです。
これは、保護者の方々が子育てに「見守る」という行動が重要であることをご存知でないこと、保護者が描くサッカーコーチ像が「手取り足取り技術を教えてくれる人」であることが影響していると思われます。
したがって、離れて見守ることの価値を、トレーニングを見せることで親たちに理解させるのは難しいでしょう。そこをクリアしていくためには、コーチ側が親とコミュニケーションをとることが不可欠だと考えます。
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■保護者に理解していただくための具体的な方法その2
次に、ゲームで子どもたちに何か伝えるとしたら、親御さんたちの目の前でこんな声をかけます。
「コーチね、見ていて気になっているんだけど、みんな少し片寄ってないかな?どう思う?」
子どもたちに「片寄るな!」と注意するのではなく、「どうだった?コーチにはこう見えるけど、どうしたらいいかな?」とヒントになる問いかけをするのです。
より具体的に言えば、最初に状況を説明します。例えば、子どもたちが、ボールにばかり集まっていること。全体のバランスが悪いことなどです。
「みんな、練習のとき、コーチは何て言ってる?」
指導者が尋ねると、子どもたちは「広がれって言ってる」などと答えます。
「オッケー。みんな、わかってるんだよね。
じゃあ、それをコーチが言わないとできないのかな?気づいてたなら、気づいてた人が言ってあげればいいよね。でないと、いつもコーチが言わなきゃいけなくなるよね」
そんなふうに伝えてください。
■試合も「離れて伸ばす指導」を伝える良い機会
試合の時も、保護者に「離れて伸ばす指導」の内容を伝える機会になります。練習よりも試合のほうが親御さんはたくさん来るからです。
例えば、ハーフタイムで子どもたちに話をする際「子どもたちの後ろにきてくださーい」