2022年12月16日 18:52
攻守の切り替えをどう教える? 身体の向き、その時何を見ればいいのか、子どもたちに理解させる方法を教えて
中学生や高校生にはよく行う練習ですが、小学生にやってもらうときはハーフコートにするなど、グリッドを小さくするといいでしょう。
■切り替えについて言いすぎると、子どもたちが攻撃をしなくなる場合もある
前述した二つのトレーニングは守備から攻撃への切り替えだけでなく、守備への切り替えも速くなります。こうやって練習で体得させれば、選手は自発的に攻守の切り替えをするようになります。コーチが「切り替えろ」と喉をからして命じるよりもずっと効果的です。
コーチの皆さんは攻守の切り替えを素早くしたほうがいいことは理解しています。ではそのために練習でどうするかを考え、自分で試行錯誤することも大事なことです。しかし、皆さん早く答えが欲しいようです。そこは子どもと同じなのかなと感じます。
さらに、ひとつ気をつけなくてはいけないのが、あまりに切り替えについて言い過ぎると、子どもたちが攻撃しなくなる場合もあります。守備のことを考え、攻撃に迫力が無くなったりします。そうならないよう、チャンスと思ったら全員で攻撃に出る。守備に戻るときも全員で戻る。そこにこだわったトレーニングを行いましょう。
■シュートしたら終わり、ではなくボールを奪われた後の動きを設定した練習をしよう
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
また、小学生のトレーニングを見ていると、攻撃だけで終わってしまうものが多く見られます。例えば、4対4で攻撃してシュートしたら終わり。
ボールを相手に奪われたら終わり、というものです。
そうではなく「ボールを取り返したら、ここにパスしたら終わりだよ」「ハーフラインを過ぎたら終わりだよ」というように、ボールを奪ったら次のことがある。攻める側も、ボールを奪われても、次の場面で取り返すこともできる。そのような設定で行ってください。
欧州各国では、ジュニア年代はゲームの中でいろいろなことを学びます。特に強調されるのは、ゲームを楽しむことです。遊びの中でボールを奪ったり、仲間とトライアングルをつくったり、楽しみながらサッカーをやらせています。小学世年代ではゲームの中でいろんなことにチャレンジさせます。
そして、中学生年代から理屈を学んでいくのです。
日本は早くから言葉で伝え過ぎていないでしょうか。そんなことを考えながら、練習をオーガナイズしてください。