スタートが遅いと追いつけないという認識を変えたい、4年生以上とか遅く始めた子にサッカーの理解を促す練習を教えて
高校年代は、スポーツの能力が一番伸びる時期です。基礎体力が人並であれば、本気で取り組めば伸びるのだと実感できました。
■他の競技の動きが役立つ幼少期はマルチスポーツであるべき
次に希望されているメニューです。フリーでもらうためにポゼッションを高める練習をしますが、360度どこでもボールを出していい鳥かごなどは初心者にはわかりづらいかもしれません。したがって、攻める方向、守る方向が決まっているような設定で行うといいでしょう。
そして数的優位が起きやすいよう、2対1や3対2といった攻めるゴールのあるメニューをやります。多いほうにいくとひとり余るからチャンスが出来ることをまずは理解してもらいます。さらに、攻撃する側にゴールを二つ設けます。
攻撃する側は右と左のゴールを目指せるわけです。
2対1だと守る相手は1人です。自分がボールを持ったとき、ゴールされたくない相手が目の前にやってきたら、例えば左を見るとフリーな子がいた。その子に出してあげると、その子が点を取れます。
そうなると「何のためにパスするか」ということがわかってきます。スムーズにゴールするためにはどちらが得か。目の前の相手を無理にドリブルで抜くよりも、フリーの味方に渡してその子に決めさせればいい。そんなことがわかってきます。
■先に始めた子より技術が無くてもチームで活きる選手になれる可能性がある
(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)
もう一点。遅く始めた子どもは最初のほうはまだ技術がおぼつきません。うまくコントロールできないことがわかっている相手に勇んでボールを奪いに来られます。すると、その子は目の前がふさがってゴールへ向かえなくなる。
そうすると、相手がボールを取りに来る前にボールを離してしまおうとします。そうすれば無理にボールをキープして相手をよける必要もない。つまり、判断よく球離れがいい選手になれます。
このように技術があまりなくても、チームで生きる選手になれる可能性が出てきます。そう考えると、逆に技術があるからこそずっと持ってしまう。パスをする判断を覚えられないというマイナス面もあるわけです。
しかしながら、日本ではそのような判断力やパスをする能力を見られる指導者が決して多くありません。それを「技術が上がっている」というふうにとらえられません。足元で上手くコントロールできる子、小さいときからサッカーをしていてボールタッチが柔らかい、ドリブルが上手い子に目を奪われがちです。