実は冬よりも5月の方がケガが多い! Jクラブドクターに聞いたその理由と予防策【医師監修】
それに対し、ノーコンタクトでのケガは事故ではない分、正直もったいないケガだと考えられます。
フォームが悪いまま強い負荷を与え続けてしまった、筋力が足りないのに120%の力で動き続けてしまった......。そういった原因からくるものです。そしてその割合が春は多くなります。
■周りのスピードが上がることで、ついていくために無理をして負荷がかかる
前述したように、サッカーをする周りのレベルが上がるので、周りの走るスピードが速いことも原因の1つになります。自分の動きを制御することが難しくなり、例えるならオートバイにF1のエンジンを付けてしまったような状態。
自分のフィジカルに相応しいスピードより早く動いてしまい、ブレーキがうまく効かずに止まれなくなり、ひざや足首に負担をかけてしまいます。
防げたかもしれないケガで、大切なスタートの時期に思いっきりサッカーができなくなるのは避けたいところですよね。
筋力や体力をつけ、上がったステージに相応しいフィジカルになることがケガ予防の観点からも重要になってきます。
張り切って無理をしすぎないことも大切ですが、子どもがそう意識するのは難しいので、コーチや親御さんが気をつけてあげられることも大事です。目の前のお子さんの調子を気にかけるようにしましょう。
■男性の4~6倍!女性の方がひざのケガが多い理由
スポーツ外傷のうち前十字靭帯の損傷の男女差は、年齢に限らず女性のほうが圧倒的に多く、男性の4~6倍もあるそうです。
要因としては、女性の股関節から下の骨格の特徴(股関節が外側を向き、ひざが内側に入り込んでいる、いわゆる"内股"の状態)や、臀筋(お尻の筋肉)やハムストリングスが女性のほうが弱いことなどが挙げらます。
例えばサイドステップをしたときに、きちんと止まることができず膝が外板して(爪先が凱旋して)しまう事が多い為靭帯を損傷します。
骨格が原因で女性の方が膝が内側に入りやすい(資料提供:大塚一寛先生)
そして、女性のほうが体が柔らかい人が多いのも、男性より圧倒的に前十字靭帯の損傷率が高い理由の1つ。ひざや足首が動きすぎてしまうからです。
これは「体が柔らかいとケガしにくい」とは逆の理由でケガが多くなるわけです。
■4つ当てはまったらケガに注意「全身弛緩性の7項目」
全身弛緩性の7つのポイントというものがあり、このうち4項目以上当てはまったら、「体が柔らかい=全身弛緩性がある」