選手の命を守るAED、音声案内通りで意外と簡単! Jクラブドクターも「躊躇せず使って」と語る理由【医師監修】
そして、AEDが適応ではない症状の場合には、当てても作動しない仕様ゆえ、誤作動の心配もないのでご安心を。
それよりも命を救うためには、とにかくいち早く、ためらわずに使うべきだと心得ておきましょう。
■「呼吸をしているし、ただ倒れているだけ」に見えても要注意
心室細動など、AEDを使わないと救命が難しい症状が突然起きた時にAEDを使うべきかの判断を迷わせるのが、呼吸です。
「ハッハッ」と浅く細かな呼吸を繰り返していたら「死戦期呼吸」といって、心停止直後の症状の可能性が。「呼吸しているから大丈夫」ではないのだと大塚先生は警鐘を鳴らします。
死戦期呼吸が現れたら、むしろAED以外では助かる見込みはないと考えられていますので、呼吸に惑わされず、繰り返しますがためらわずにAEDを使いましょう。
■AEDの設置場所を覚えておくこと
AEDがどこにあるか、きちんと調べておきましょう
そんな大切な存在のAEDですが、どこにあるか知っていますか。
クラブで保有して練習や試合に携帯しているチームなら普段から身近な存在かもしれませんが、高額なのでクラブで購入するのはためらわれることも多いかもしれません。
チームで保有しておらず、グラウンドをレンタルしている場合などは意外と設置場所を知らないことがあります。
大会などでは運営本部に必ず置かれていますし、グラウンド付近に常設されている場合は案内が出ていることもあります。
練習場所や試合会場では、どこにAEDがあるのかを保護者が試合や練習が始まる際に把握しておくのも一刻を争う事態が発生した時にスピーディーな対応ができるかどうかを大きく左右するもの。
いざ応急処置をすることになったときに慌てないように、知識はいれておきたいものですね。
大塚一寛(おおつか・かずひろ)
医師、あげお友愛の里施設長。
1996年からはJクラブのドクターとしてチームとともに帯同を続けている。現在はVプレミアリーグの上尾メディックス(女子)のチームドクターも兼任。そのほか、『日本サッカー協会スポーツ医学委員』を務め、全カテゴリーの選手の健康管理(脳震盪・ヘディング・熱中症・整形外科的外傷など)に携わっている。多数の講演にも出演し、現場のノウハウや選手のケガ、障害予防などの啓発活動も積極的に行っている。
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