「広がってパスをもらおう」と伝えても、どこに動けばいいかわかってない。団子サッカー解消法を教えて
■顔を上げて「どこを見るか、何を見るか」を理解させるトレーニング
さて、皆さんは子どもたちに「顔を上げろ」「首を振れ」「まわりをよく見て」と教えますが、肝心の「どこを見るか?」「何を見るか?」が理解されないままのようです。
その点を解決するためには、まず顔を上げなければならないトレーニングを考えましょう。
そこで紹介したいのが「7人で2つのボールをつなぐ鳥かごの変形版」です。
図Aのように、正方形を二つ並べたような長方形のグリッドをつくります。
(図A)
真ん中のハーフラインと左右のエンドライン、そしてサイドラインに1人ずつ、計7人がオフェンス側になります。そこにボールが2つとディフェンスが1人ずつ入ります。
2つの正方形のグリッドでそれぞれ4対1が行われますが、ハーフラインに立つ真ん中の1人は2つの正方形のどちらにも参加します。
つまり、真ん中の選手は前後左右、2つの正方形の様子を見なければいけません。
と同時に、他の6人は、真ん中の選手の様子を見ていなくてはいけません。
真ん中の選手がどっちを向いているのか、パスを受けられる状態なのかを把握する必要があります。
真ん中の選手は大変ですが、4対1なので、指導対象が小学校2年生でもわいわい楽しみながらできるでしょう。
ディフェンス2人を合わせて9人で行うので、ディフェンスがボールを取ったらポジションを交代して同時にローテーションするなど、全員がすべてのポジションを経験できるようにしましょう。
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■高学年になったらグリッドを2つ重ねて正方形4つ、ボール4つに難易度を上げる
小学校高学年になると、正方形を左右つくった下に同じように左右つくります(図B)。
(図B)
つまり、長方形が2つ並びます。ボールは4つ、4対1が4か所で行われるイメージです。そこでは、前後左右を見なくてはいけない選手が4人になります。
ボール、味方、ディフェンスをどうしても見なくてはいけない状態になる。要するに、顔を上げることが必然の状態を作り出すわけです。
小学生にそんな複雑なことができるのか?と思われるかもしれませんが、私は実際にこの練習を小学5年生がやっているのを見ました。
この夏、ケルン市と京都市が姉妹都市という関係で、京都にドイツ・ケルンFCのコーチが指導に来てくれました。